Project/Area Number |
23KJ0077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 直登 京都大学, 生態学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 群集生態学 / 群集集合 / 多種共存 |
Outline of Research at the Start |
植物群集を構築するルール(種の生態学的なニッチに基づく選択と、個体の移動分散などの偶然性のどちらが卓越するか)が環境条件の勾配に沿って変化するという新たな仮説を検証する。 まず、温室での栽培実験により、草本植物6種の成長率、死亡率、結実数が水分条件や土壌pHなど、異なる環境条件下でどう変化するかを明らかにする。さらに、競争実験を行い、群集構築の偶然性(同じ環境条件下で種組成がどの程度ばらつくか)を検証し、環境条件と偶然性の関係を明らかにする。競争実験で得られたパラメータをもとに群集動態モデルを構築し、環境条件と群集構築のルールの間の関係の一般性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、「植物群集を構築するルール(種の生態学的なニッチに基づく選択と、個体の移動分散などの偶然性のどちらが卓越するか)がストレスの勾配に沿って変化する」という仮説の検証のため、データベース解析および予備実験を行なった。 まず、自然界に存在する多様なストレス勾配の一つである緯度に注目し、植物群集の構築ルールが緯度ともに変化することを、大規模データベースの解析から明らかにした。データ解析から、高緯度ほど林床での植物種組成が空間的に集中分布していることが分かった。本成果は、2つの招待講演(理論進化生態フォーラム [総合研究大学院大学]、菌根共生からみた進化群集生態学 [京都大学])で発表し、その内容をまとめた論文は国際誌に掲載された(Shinohara et al. 2024 Oikos)。 次に、別のストレス勾配として土壌中の水分条件に注目した栽培実験を計画した。そのための予備実験として、京都大学生態学研究センター内の圃場から一年生草本2種(メヒシバ、オオイヌタデ)の実生を採取し、2種をさまざまな密度・頻度で混植する競争実験を行なった。その結果、2種ともに強い種内競争が卓越することが分かった。次年度に同様の実験をより多くの種を用いて、およびいくつかの水分条件処理で行うために、圃場内で種子の採取を行いその発芽実験を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究・家庭状況の変化のために今年度は研究にやや遅れが生じた。しかし、アクセスのしやすさのために研究対象を大学内の圃場に変更したため、次年度以降は予定より早く研究が進むと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、本年度の予備実験を発展させ、より大規模な野外操作実験を行う。5種の一年生草本をさまざまな密度・頻度で混植し、各個体のパフォーマンスを計測する。実験処理として3つの水分条件処理(少・中・多)を用意し、各種の群集動態のパラメータおよびそれから予想される群集道外が、乾燥という環境ストレスによってどのように変化するかを明らかにする。 また、当初予定していた数理モデルの解析に加えて、日本国内及び世界レベルの大規模データベースの構築を行い、緯度とという当初想定していなかった環境クラインに応じて、植物群集の構築ルールがどのように変化するかを解析する。
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