Project/Area Number |
23KJ0083
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 晃歓 東北大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 三次元造形 / 傾斜機能材料 / 力学特性 / セラミック基複合材料 |
Outline of Research at the Start |
炭化ケイ素(SiC)連続繊維強化SiC基複合材料(SiC/SiC)は,その優れた耐熱性と強度により高温構造材料への応用が期待される.しかし,SiCは非常に硬く,二次加工性に乏しい.そこで,本研究では,複雑形状を有するSiC/SiCを造形可能な三次元造形技術の創出を目的とする.また,三次元造形中に原料インクを変更すると,材料勾配を有する造形体の作製が可能となる.そこで,数値解析を併用して,内部応力状態を考慮した適切な組成分布となる造形パターン設計を行い,高比強度実現のために構造最適化が可能なSiC/SiC作製技術を提案する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,セラミックス三次元造形法の1つである直接インク書込み法を用いたセラミック連続繊維強化セラミック基複合材料(CMC)の製造技術の創出を第一優先課題とする.そして,材料積層設計によって従来よりも形状自由度と比強度が高い CMCの作製を目指し,種々の材料積層設計を基に作製した三次元造形CMCの内部構造と力学特性を評価する.令和5年度では,強化繊維に炭素繊維,母相に炭化ケイ素(SiC)を用いて,直接インク書込み法によってCMCを作製した.また,直接インク書込み法におけるプロセスパラメータの影響を検証するために,焼結性に優れた汎用的なセラミックスであるアルミナを用いて直接インク書込み造形体の力学特性の造形経路依存性を調査した.以下に実施した研究の要約を示す. (1)母相を構成するSiCスラリーに連続繊維が混在すると,スラリー内の分散媒が揮発する時に母相が収縮するため,繊維/母相界面の拘束により母相側に乾燥割れが生じる.このき裂は造形体の構造健全性を損なうため,界面にポリマー溶液薄層を導入し,母相の乾燥割れを改善した.このとき,溶液の乾燥・熱分解後に繊維/母相界面に空隙が生じるため,本薄層はCMCの破壊形態に影響を及ぼすことが確認された.また,その層厚と組成の制御が破壊形態に重要であることが示唆された. (2)棒状試験片に対して,長手方向と平行あるいは垂直な方向に一方向に整列した造形経路で造形した直接インク書込み造形体の3点曲げ特性は,造形経路にかかわらず同程度の曲げ強度と曲げ弾性率を示した.また,その造形体密度と微細構造にも顕著な差異は確認されなかった.この結果はセラミックスの直接インク書込み造形において造形体の力学特性に対する造形経路の寄与が低いことを示し,CMCの積層設計における造形経路の制約を排除できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭素繊維とSiC母相を用いたCMCの直接インク書込み造形を行い,母相側に生じる乾燥割れを防止する方策を示した.また,セラミックスの直接インク書込み造形体に及ぼすプロセスパラメータの影響として,造形経路と造形体の構造および力学特性との関係性を評価した.また,このうち一部は国内学会で発表している.これらの結果から,CMCの直接インク書込み造形におけるプロセス課題の解決と積層設計に関する良好な研究成果が得られたため,直接インク書込み法によるCMCの安定した作製が可能となった.そして,次年度からは造形体の詳細な特性評価の検討へ進むことができるようになったため,おおむね研究は順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では,CMCの直接インク書込み造形におけるプロセス課題の解決が見込めた.この成果を基に,次年度は複数の異なるスラリーを用いた積層設計により,造形体内部の組成勾配を制御し,組成勾配による造形体の強度特性の変化を検証する.また,複雑形状設計と造形も行い,高い形状自由度と高比強度を両立した造形体の作製およびその力学特性を明らかにする.さらに,理論・数値解析から得られるデータを積層設計に活用し,積層設計の最適化を行った造形体の力学特性を評価して,三次元造形と数値解析を融合したCMC作製システムを提案する.
|