Development and distribution of lapidary technology in pre-Columbian Costa Rica: Focusing on greenstone celtiform pendants
Project/Area Number |
23KJ0085
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保山 和佳 東北大学, 東北アジア研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 実験考古学 / 痕跡学 / ヒスイ / コスタリカ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、先史コスタリカにおいて首長制社会が形成された頃の墓の副葬品として出土する、石斧型ペンダント(500BC-AD900)の製作技術拡散モデルを復元し、工人ネットワークの発展と展開を明らかにする。当該ペンダントの実験痕跡研究と、顕微鏡や3D技術等を使用した巨視的・微視的分析によって、技術拡散と社会的機能・用途の変遷を実証的に明らかにすることで、技術、石材選択、使用、装着に関する知識が工人集団の移動により拡散したのか、あるいは知識のみが異なる集団間で共有されたのかを分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、先史コスタリカの石斧型ペンダント(500BC-AD900)の製作技術拡散モデルを復元することで、工人集団のネットワーク展開とその社会的機能を解明することを目的としている。 令和5年度は、次年度のコスタリカでのフィールドワークに備え、主に実験・観察作業が中心となるため、金属顕微鏡観察や製作復元実験に関わる設備を整えた。実験痕跡研究の準備として製作・使用実験によって加工具・加工技術毎に異なる典型的な痕跡を復元・記録し、実験資料の痕跡データベースの作成に取り組んだ。この際には、当時の工人が入手可能であった素材をできる限り使用し、製作復元実験を行った。特に今年度は、穿孔技術に注目し、グアテマラ産の翡翠を使用した穿孔実験を行い、多数の穿孔道具や穿孔方法を試した。10時間実験によるレプリカの作成後には、金属顕微鏡を使用して実験痕跡の観察・記録をした。東北大学のデジタルマイクロスコープVHX5000の深度合成画像と金属顕微鏡を併用した観察を行った。その結果、木製ドリルと骨製ドリルでは痕跡の特徴が異なることが判明した。前者では正円の線状痕が確認できるが、後者は歪んだ円形の線状痕が見られ、研磨された表面に蛇行した線状の傷が無数に確認された。遺物にみられる痕跡と比較すると、木製あるいは竹製のドリルが最も遺物の痕跡に近いということも判明した。また、骨製ドリルよりも木製ドリルの方が穿孔の効率がよく、2倍の速さで作業が進んだ。 また、石斧型ペンダントの共伴遺物である祭祀メタテ(石皿)の使用に関する実験・分析も行い、当該ペンダントの威信財としての社会的意味とその埋葬方法に関する現地調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験痕跡のデータ収集にやや遅れが出ている。想定していた製作工程がうまくいかず、試行錯誤して異なる方法を試したため、計画よりも時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、実験痕跡のデータ収集を継続する。今年度は、特に石製品の穿孔技術と研磨技術に注目し、製作実験を進める。穿孔実験では、異なるドリルを使用して穴が貫通するまで実験を行う。研磨技術に関しても、複数の研磨剤と研磨道具を用意する。実験終了後には、既に収集済みの考古遺物のシリコンレプリカに見られる痕跡を記録し、実験痕跡との比較を行う。この際には、できるだけ出土遺跡が判明している遺物を分析する。遺跡間の痕跡データを比較することで、それぞれの技術に地域差や時代差が見られるのかを確認する。 また、今年度はアメリカ及びスウェーデンの博物館へ行き、当該遺物の分析も行う。アメリカのカーネギー自然史博物館には、コスタリカのラス・ワカス遺跡出土の石斧型ペンダントが多数収蔵されているため、同博物館のコレクションを分析することは、本研究の要となる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)