Project/Area Number |
23KJ0098
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
建石 悠貴 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 全合成 / テルペノイド / マクロ環化 / 渡環反応 |
Outline of Research at the Start |
Bioinspired渡環反応を鍵とした,多環式テルペノイドの新奇かつ統一的な合成戦略の開発を目指した研究を行う. まずは生合成模倣型中間体の合成を目指す.検討が必要なところとして4つの不斉中心を持つシクロペンタン環の構築が上げられる.私は光触媒を用いたタンデム上野ストーク環化反応を新たに開発することで本問題を克服した.その後のマクロ環化も困難が予想されるが,基質を検討することで解決を目指す. その後,bioinspired渡環反応の条件を探索し,鍵反応の実現を目指す.そして,最後にそれぞれの骨格から天然物の全合成を達成する予定である.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,生合成模倣型中間体の合成に取り組んだ.一つ目の課題である3つの不斉中心をもつシクロペンタン環の構築から着手した.当初の計画ではキュプラートを使った三成分連結反応を想定していたが,実際に検討したところ共役付加が進行せず,三成分連結反応は困難であることが判明した.そこで私は,オレフィンに対する反応性を向上させるべく,ラジカル反応に着目し,更なる検討を行った.最終的に上野ストーク環化に着想を得て,光触媒的タンデム環化/共役付加反応条件を確立することに成功し,高い立体選択性にてシクロペンタン環の構築を達成した.そして,本新規反応について,より詳細な条件最適化や基質適用範囲の調査,反応機構解析などを行った.また,本成果を学会にて発表し,優秀発表賞を受賞することができた. 続いて,二つ目の課題である11員環の構築に取り組んだ.三成分連結反応を適用できなかったため一部計画を変更し,三置換オレフィン部位での閉環メタセシスによるマクロ環化を試みた.しかしながら所望の生成物は痕跡量しか得られないことがわかった.その後,分子内NHK反応などを検討したがマクロ環化は困難であった.そこで,基質の分子設計を一部変更し,二置換アルケンを取り込んだ基質を設計して閉環メタセシスを試みた.そうしたところ再現性よく所望のマクロ環を構築することに成功し,生合成模倣型中間体の合成を完了した.現在は合成ルートの最適化と閉環メタセシスの収率向上を目指し,検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,生合成模倣的な渡環反応による多様な骨格の発散的構築を実現することが最低限の目標であり,それに向けて研究計画を立て,研究を進めてきた. 本研究で主に課題になると考えられていた部分は三箇所あり,一つ目が3つの不斉中心を有するシクロペンタン環の立体選択的構築,二つ目が11環の構築を含む環化前駆体の合成,三つ目が鍵反応である渡環反応の実現である.これら3つの課題のうち現在までに二つの課題を解決することができており,残す課題は3つ目の渡環反応のみという現状となっている.この進行状況は当初計画したものと比べて概ね順調に進展しており,今後の渡環反応の検討次第ではあるが,残りの期間のうちに研究をまとめることができると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針としては,鍵反応である生合成模倣的渡環反応を実現するべく検討を行う予定である.本検討を行うためには原料の量的供給が必要であり,一部合成ルートの改善とスケールアップを行って原料の量的供給をまずは目指す.それと並行しつつ,渡環反応の検討を進める. 5/7/6骨格の構築に関しては,ラジカル的な水素原子移動反応を駆使して構築できる考えている.5/8/5骨格の構築に関しては,ケトンのα位にラジカルを発生させることにより分子内のラジカル反応を惹起させることで構築可能だと考えている. その後,骨格を構築できたのちには5/7/6骨格では天然物グアナキャステペンGの全合成を目指す予定である.それにり天然物合成における本戦略の有用性を示すことができると考えている.
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