Project/Area Number |
23KJ0121
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 理 東北大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | アルキベマイシン / ポリオールユニット / TDOR |
Outline of Research at the Start |
本研究では,特異な化学構造と強力ながん浸潤阻害活性を有する天然物アルキベマイシン類について,全合成研究と構造活性相関研究を実施することで新規抗がん剤の創出につながる知見を得ることを目指す。 申請者らは本年度までの研究により,アルキベマイシン類が有する新奇複素環構造の構築法を開発した。2023年度以降は,別部位であるポリオール部位とデカリン部位を合成し,これらを連結し環化することで本天然物の全合成を目指す。さらに合成過程で得られた各部分構造やその連結体,一部構造改変を加えた非天然型類縁体も合成してその生理活性を調べることで,構造活性相関の解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,特異な化学構造と強力ながん浸潤阻害活性を有する天然物アルキベマイシン類について,創薬への応用に向けた全合成と構造活性相関の解明を目指している。令和5年度の研究では,6連続不斉中心を有するポリオール部位の合成,および新奇複素環(TDOR)の構築に取り組んだので,以下にその進捗について報告する。 ポリオール部位の合成研究においては,C20-C22位の立体化学の制御までは当初の計画通り順調に達成した。しかしながら,C23位ヒドロキシアミノ基を構築するべく,当初の戦略に基づきニトロンに対するケテンシリルアセタールの求核付加を試みたところ,望まない立体選択性で反応が進行する結果となった。基質であるニトロンの設計や反応剤の検討を多数試みたものの,立体選択性の逆転には至らなかった。そこで,不飽和エステルに対するヒドロキシルアミンの立体選択的なマイケル付加と,続くN,O-ラクトン化を用いた戦略に切り替え,C23位の立体化学を制御することに成功した。その後,C24位の立体選択的な酸化,増炭,C25位の立体選択的な還元により,6連続不斉中心を有するポリオールユニットの合成を完了した。さらに,既にモデル実験により見出した手法を用いることでTDORの構築にも成功し,ポリオール部位-TDOR連結体の合成にも成功した。 加えて,モデル実験により確立したTDORの構築法を国際誌にて報告した。 今後はデカリンユニットを合成し,ポリオール部位-TDOR連結体と縮合したのち,閉環メタセシス反応等の方法により17員環構造を構築して全合成を達成する予定である。全合成達成後には,各ユニットや非天然型類縁体の生理活性等を調べる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合成難度の高いポリオール-TDOR連結体の構築に成功したものの,C23位ヒドロキシアミノ基の立体化学を制御することに多くの時間を費やした。当初の計画では当該年度中にデカリンユニットの合成にも着手する予定であったことを考慮し,やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はデカリンユニットを合成し,TDOR部位と縮合したのち,閉環メタセシス反応等の方法により17員環構造を構築して全合成を達成する予定である。これに先立ち,まずはデカリンユニットを模した単純なカルボン酸との縮合を試み,その成否を確認する。縮合反応が首尾よく進行しない場合には,デカリンユニットを連結後にTDORの構築を行う戦略への変更も検討する。全合成達成後には,各ユニットや非天然型類縁体の生理活性等を調べる予定である。
|