Project/Area Number |
23KJ0185
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 亮太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 光音響 / 生体計測 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,生体組織や細胞を非侵襲に測定・分析する光音響技術を開発することを目的とする.光音響技術は,対象に光を照射した際に生じる音響波を測定・分析に応用するものであり,バイオ・医学への応用も広く検討されている.一方で,生体における細胞や分子と音響波の相互作用については不明な点も多い.そこで本研究では,超短パルス光を対象試料に照射した際に誘起される音響波の制御技術とその現象を捉える計測技術について検討する.これにより,光音響技術の生体組織の非侵襲計測や非侵襲治療への応用に備える.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体における細胞や分子と音響波の相互作用の解明に向けて光音響波の生成・制御技術の開発とその現象解明のための計測技術を開発することである. まず本年度は,生体組織から光音響信号を検出することで生体成分の分析が可能であるか検討を行った.研究計画に従い,レーザ光の照射によって試料中に音響波(超音波)を発生させ,試料表面に配置した圧電トランスデューサで信号を検出する測定系を構築した.試料は生体模擬試料としてグルコースを添加したゼラチンファントム,生体試料として鶏胸肉のスライスやヒトの耳たぶを用いた.構築した測定系を用いてグルコースを添加したゼラチンファントムの測定を行ったところ,従来法である減衰全反射(ATR)法により測定した結果に対応する位置にグルコースに起因する吸収ピークを確認した.この結果から,提案手法を用いて光音響信号の取得と試料の分析が可能であることを示した.さらに,ファントムに添加するグルコース濃度と取得される光音響信号の強度の間に高い相関関係があることを確認し,提案手法を用いた濃度分析の可能性も示唆された.この結果を踏まえて鶏胸肉やヒトの耳たぶについても提案手法による測定を行い,ATR法との比較を行った.その結果,生体組織の構成成分と推定される複数の明瞭な吸収ディップを確認した.よって,提案手法を用いた血糖値をはじめとする生体組織成分の分析可能性を示した.一方で,提案手法により取得される光音響信号強度と光学吸収(吸光度)の間には負の相関を確認し,生体組織における光音響信号の発生・伝搬についてのさらなる検討が必要となった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にあった,提案手法による生体分析の可能性を示すことができたため. レーザ光の照射によって試料中に音響波(超音波)を発生させ,測定対象の表面に配置した圧電トランスデューサからの信号を解析することで生体組織の構成成分と推定される複数の明瞭な吸収ディップを確認できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
提案手法により取得される光音響信号強度と光学吸収(吸光度)の間には負の相関を確認し,生体組織における光音響信号の発生・伝搬についてのさらなる検討が必要になった. よって,令和6年度は脂質二重膜など生体組織よりも構成が単純な試料を分析対象にレーザ誘起の音響波との相互作用の分析を行うとともに,音響波のパラメータ制御技術の開発に取り組む.
|