Project/Area Number |
23KJ0209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲村 陽宏 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | イオンチャネル / プロトン |
Outline of Research at the Start |
本研究では、液体電解質中で意図的にカチオンの溶媒和状態を不安定化(溶媒和フラストレーション)させ、高活性なアルカリ金属カチオンを生成させる方法論を確立し、粘性に支配されずイオンホッピング機構によって高速イオン輸送が可能な新規液体電解質の創出を狙う。これにより、高いイオン伝導性、高いカチオン輸率、容易な電極/電解質界面形成が可能な高速カチオン伝導性液体電解質を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、古典動力学法を用いて天然の細菌細胞に存在するプロトンとフッ化物イオンを対向輸送する膜タンパク質であるCLCFのイオン輸送メカニズムついて、古典動力学シミュレーションを用いて解明を行った。 また、プロトン輸送はH3O+がそのまま移動するビークル機構だけでなく、プロトンが他の水分子にホッピングしながら移動できるホッピング機構を有しており、それらは化学反応であることから、ニュートンの運動方程式をベースとした古典動力学法ではシミュレーションでの現象解明を行うことはできない。そこで、プロトン及び水とdnaチャネル内部の官能基及びその他の原子との化学反応を考慮した相互作用ポテンシャルモデルの作成を行った。また、その妥当性検証と基礎モデルでの計算を実施した。 そして、これらを行ったことで得られた知見について、国内外で行われた学会にて成果発表を行った。以下にその一覧をまとめ示す。① 第37回分子シミュレーション討論会 「分子動力学計算による CLCF における F-イオン選択機構の解析」ポスター発表, 2023年12月4日 .② 第37回数値流体力学シンポジウム「CNTの内部官能基修飾によるイオン輸送特性への影響調査」口頭発表, 2023年12月. ③ EBSA CONGRESS 2023 ,「F- ion transport mechanism in CLCF analyzed by molecular dynamics simulation」, 2th Aug. 2023
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、古典動力学法を用いた、プロトンチャネルの輸送メカニズムの解明と化学反応を考慮したポテンシャルモデルの作成を行い、得られた知見について、ヨーロッパ生物物理学会、分子シミュレーション討論会、数値流体力学シンポジウム等で発表を行った。特に生体内では特にプロトンの濃度が他のイオン濃度と比べて低いにも関わらず、選択的にプロトンを輸送するメカニズムが多種にわたり存在している。よって、選択的なプロトン輸送が可能な人工チャネルに向けて、生体由来のプロトン輸送メカニズムを模倣もしくは応用することは重要である。しかしながら、特定のイオンを輸送する際に、他種のイオン輸送の抑制するメカニズムについては、分かっていない。本研究では、モデル細孔としてカーボンナノチューブ(CNT)を用いてアミノ酸の側鎖官能基を内部に修飾したモデルを作成し、それらを用いてイオン輸送に対する抑制効果について古典分子動力学法を用いて調査を行った。親水性の官能基を修飾したモデルでは、プロトンを含む他種のイオンにおいて、輸送を抑制することができなかった。通常のイオンは水和しており、イオンそのものの周辺に水を纏った構造であるが、CNT中でも同様である。CNT中の親水性の官能基周辺にイオンが存在する際に、イオンに水和する水分子が減少するが、親水性官能基がイオンと水素結合できることで、イオンの通路として安定できることで輸送の抑制には至らなかったと考えられる。そこで、お互いが相互作用して水素結合による塩橋を形成できる位置に親水性官能基を2つ修飾することで、イオンの抑制を目指す。 以上より、申請時の内容に沿って概ね進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定通り、チャネル内に修飾した官能基がビークル機構及びホッピング機構におよぼす影響について、反応動力学シミュレーションを用いて解析を引き続き行う予定である。 これまでの研究にて、CNT中の親水性の官能基周辺にイオンが存在する際に、イオンに水和する水分子が減少するが、親水性官能基がイオンと水素結合できることで、イオンの通路として安定できることで輸送の抑制には至らなかったと考えられる。そこで、お互いが相互作用して水素結合による塩橋を形成できる位置に親水性官能基を2つ修飾することで、イオンの抑制に関する影響について調査を行う。
|