Project/Area Number |
23KJ0227
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
原田 祐弥 山形大学, 有機材料システム研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 電極触媒 / 二酸化炭素還元 / 有機無機ハイブリット材料 / 再生可能エネルギー / 電力変換貯蔵 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,金属と水素付加を伴うレドックス活性高分子のハイブリット界面を構築し,エチレン選択性の高い二酸化炭素還元触媒の創出を目指す. 昨今,金属上の高分子被覆は,C2化合物の生成効率を向上させることが近年明らかになってきたが,高分子側にプロトン付加を伴うレドックス活性な高分子を採用するという独自性の下で上記達成を目指す. 更に有機無機の包括的な材料アプローチの試行から有機無機の新規ハイブリット電極触媒の設計に対する知見や指針を獲得も目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、プロトン付加を伴うレドックス活性高分子と金属のハイブリッド界面を形成し、エチレン選択的な二酸化炭素還元反応(CO2RR)用の有機無機ハイブリッド電極触媒の創出を目指している。本年度、金属表面にプロトン付加を伴うレドックス活性高分子を被覆によって、CO2RR活性向上が誘起出来るか否かを検証した。また、エチレンを含むC2生成物を優先生成するという観点から、下地金属には電解析出した銅薄膜を採用し、その表面にポリニュートラルレッド(PNR)薄膜の電解重合を試行することでコンセプトの実証を図った。しかしながら、PNRの重合電位が銅の酸化溶出電位よりも貴な電位で起きるため、電解重合による金属被覆は困難であった。 暫定的な方策として、予めPNR製膜し、その上に銅を電析する方法を試みたところ、このハイブリッド膜は、0.5 M 炭酸水素カリウム溶液中のCO2RRに由来する還元電流が増加し、過電圧が低下する効果が確認された。これにより、PNRと銅のハイブリット化によるCO2RR活性の向上が示された。現在、ガス拡散セルを利用した生成物の分析を行っており、エチレンやC2化合物の生成とその定量を進めている。 しかしながら、本来のPNR上への銅の電析は、銅表面をPNRが完全に被覆しているとは考えられず、露出している銅表面を残していると考えられる。今後、少なくとも銅の電位窓の範囲で重合する分子の探索を行う必要がある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PNRと銅のハイブリッド触媒におけるCO2RR電流の向上と過電圧の低減は、提案した有機無機ハイブリッドコンセプトの実証に向けた一定の成果を達成している。この成果は、ハイブリッド電極の有効性を示しており、プロジェクトの進展に対する肯定的な指標である。しかし、ハイブリッド化のプロセスが予想以上に時間を要したことから、エチレンのファラデー効率などの生成物分析は初年度に完了していない。このため、全体的な進捗は計画よりもやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度では、PNRとCuのハイブリッド電極触媒におけるCO2RR生成物の分析を継続し、エチレン選択性の評価を通じてコンセプトの実証を図る。また、Cuの電位窓で電解重合が可能な分子群の探索を行い、プロトン付加を伴うレドックス活性高分子の銅表面上における被覆試行も並行して進める。 さらに、複数のハイブリッド界面とCO2RRに対する活性評価パラメータを取得し、被覆する有機分子の化学構造や高次構造と触媒性能との関連性を明らかにすることを最終目標とする。
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