Project/Area Number |
23KJ0298
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
三木 健矢 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超伝導 / ボゴリウボフ・フェルミ面 / 鉄系超伝導体 |
Outline of Research at the Start |
超伝導状態では低エネルギーに有限のギャップが形成され、フェルミ面は通常消失する。ところが、多軌道自由度を持つ超伝導体の中には、超伝導状態にもかかわらず存在するフェルミ面の可能性(ボゴリウボフ・フェルミ面、BF面)が理論・実験の両面から示唆されている。 金属中では電子がフェルミ面を構成する一方で、BF面を構成しているのは電子とホールの重ね合わせの粒子であるボゴリウボフ準粒子である。BF面において、相互作用や乱れの効果を取り入れることで、粒子の違いを反映したBF面特有の状態が実現すると考えられる。このような状態は、超伝導体における新たな物性の可能性を秘めているため、その物理的性質の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
通常の超伝導体はフェルミ準位にギャップを持つ一方、超伝導状態にもかかわらずフェルミ面を持つ超伝導(ボゴリウボフ・フェルミ面)が提案されている。ボゴリウボフ・フェルミ面を構成する準粒子は通常の金属のフェルミ面を構成する電子とは異なる性質を持つと考えられる。本研究は、相互作用や不純物効果を取り入れることで、構成粒子の性質を反映したボゴリウボフ・フェルミ面に特有な物性を解明することが目的である。
これまでに、バルクのボゴリウボフ・フェルミ面に特有の定性的な性質を、フェルミ面を構成する準粒子の、低エネルギーの性質を抽出したモデルに基づいて調べた。その結果、純粋な奇周波数ペアという特殊なクーパーペアが準粒子の描像で誘起されることを明らかにした。
本年度は、実験との比較のためにより定量的な評価を行なった。現実物質であるFe(Se,S)に基づいた解析を行い、特に低温・低エネルギーで支配的な不純物効果を調べた。具体的には、常伝導状態のハミルトニアンに第一原理計算から得られたFeSeのタイトバインディングパラメータを用いた数値計算により、状態密度などの熱力学量を評価した。さらに、不純物の種類を磁性・非磁性、その磁性の異方性など、パラメータを変えた計算を行うことで、電子のパラメータと準粒子の奇周波数ペアとの関係性を明らかにした。このFe(Se,S)に基づく解析により、熱力学量の定量評価だけでなく、これまでの準粒子モデルの妥当性も検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現実物質のFe(Se,S)に基づき現実的なパラメータで数値計算による解析を行うことで、熱力学量の定量的な評価だけでなく、準粒子モデルの妥当性も検証することができた。準粒子モデルを用いた超伝導界面の性質の研究に発展させることができ、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ボゴリウボフ・フェルミ面を持つ超伝導体の界面に現れる特殊な準粒子状態の解析を行う。通常の超伝導界面の計算にも用いられるマクミラングリーン関数法を準粒子モデルに応用することで、局所状態密度や界面で誘起されるペアの性質を調べる。この解析により、超伝導体界面で空間反転対称性が破れることによる準粒子の新たな物性を明らかにする。
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