Project/Area Number |
23KJ0304
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
張 北辰 千葉大学, 融合理工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 衛星観測 / ひまわり8号 / 高頻度観測 / 地表面反射率 / 陸域水循環 / 蒸発量 / 日変化 |
Outline of Research at the Start |
日本と中国の次世代静止衛星(Himawari-8/AHIとFY-4/AGRI)を統合し、アジア・オセアニア域の陸面を約 10 分毎にモニタリングできる超高時間分解能の観測データを構築する。さらに、構築したデータを最大限に有効活用し、これまでの衛星観測では検出が困難であった地表環境の変化の早期検出が可能となるシステムを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、日本と中国の次世代静止衛星を統合し、アジアとオセアニア域の10分ごとの高頻度観測を活用し、推定可能なデータを利用して地表環境の早期変化を検出することを目的としている。今年度、以下の点で進展を遂げた。(1)大気放射伝達コード6SVを用いて静止衛星の地表面反射率を推定する処理を実現した。日本のひまわり8号の大気上端反射率を全球気象観測データと組み合わせて処理し、地表面反射率を推定した。(2)同じ観測条件下での低軌道衛星(LEO)プロダクトと比較し、ひまわり 8 号の地表面反射率を評価した。赤道付近ではMODISプロダクトを参照し、中緯度地域ではTerra/MISRとGCOM-C/SGLIの傾斜観測を用いて、推定したひまわり8号の地表面反射率を評価し、データの評価を向上させた。(3)中国のFY-4シリーズ衛星の静止衛星データの最新の可用性を調査し、FY-4AおよびFY-4B衛星のデータプロダクト処理の進行状況と品質を理解した。FY-4AのTOA反射率を初期の投影処理し、地理的精度をひまわり8号データと比較した。(4)ひまわり8号の地表面反射率をPT-JPLモデルの入力データの1つとして、昼夜変化の尺度で蒸発量を初期推定した。また、31の観測地点において、推定した蒸発量の時間および日ごとの精度が検証された。 静止衛星の地表面反射率の推定と検証には、世界をカバーする気象データとLEO衛星プロダクトが含まれているため、この手法はFY-4衛星や他の静止衛星にも適用可能である。低いデータレベルの地表面反射率と高頻度の蒸発量データは、地表植生の初期変化を捉えるための重要な基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
静止衛星FY-4AおよびFY-4Bデータの品質と取得は、公式のテストミッションと予期しない衛星衛星直下点の調整作業(観測範囲の変更)により保証されていないが、ひまわり8号でのテストによって地表面反射率の推定方法は適用可能である。そして、地表反射率の評価に関して、さまざまな方法を詳細に検討した。これらの成果は、国内外のいくつかの会議で発表され、注目を集めている。静止衛星に基づく高頻度蒸発散の推定は影響を受けず、アジアとオセアニア域はひまわり8号によってカバーされているため、その地域の研究計画は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
高頻度の観測データから地表の変動を見出すためには、まず正確な地表情報を抽出することが必要である。検証済みの地表反射率を基に、葉面積指数やアルベドなどのデータを計算し抽出し、さらに比較や置換に使える補助データを集める。そして、モデルの入力データとパラメータを調整して蒸散発量データの精度を向上させ、蒸発と蒸散成分が昼夜サイクルや日積算の異なる時間分解能で十分に表現されることを確認する。一応、FY-4衛星の観測範囲を考慮せず、ひまわり8号のアジアとオセアニア域の観測範囲で高時間分解能の蒸散発量データを構築する。次に、広範囲にわたっていくつかの指標(例:実際の蒸散発量と参考蒸散発量の差)および変動抽出手法を組み合わせ、構築した時系列の蒸散発量データで異常変化を捕える。捕捉された異常変化の妥当性は、気象観測と関連する現地研究によって確認される。さらに、さまざまな異常変化のケースを通じて、高頻度の観測データを用いて植生が気候変動にどのように反応するかを追跡することを検討したい。
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