Project/Area Number |
23KJ0337
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 浩大 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 傾理論 / 量子affine代数 / 前射影代数 / cluster代数 / ポテンシャル付き箙 / 圏化 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではルート系に付随して有向グラフから生成元と関係式によって定義される非可換代数とその上の適切な加群たちからなる構造物を主として組み合わせ論的な視点で分析し,それらをLie代数や量子群の表現論における代数や表現の特別な基底や表現たちのなす圏の構造と関係付けることで両者の関係を強化し相互理解を深める.また,そうした非可換代数の複数の特徴づけを表現論の立場から研究することで異なった文脈で広く現れる組み合わせ論的な構造を系統的に理解する視座を与える.
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Outline of Annual Research Achievements |
組み合わせ論的な操作を備えた集合の元を概ね適切な圏の対象に対応させ組み合わせ論的な操作を圏における関手的な操作に対応させることを圏化と呼ぶ.もとの組み合わせ論において直接証明することが難しい命題をそのような圏における実現を介することで証明の容易な命題に言い換える,また圏における概念に組み合わせ論的な解釈を与えることで相互に理解を深めるなど複数の文脈の橋渡しをするのが圏化の理論の特色である. 本研究では適切な非可換代数の理論において加群圏や付随する三角圏の部分圏たちのなす順序構造やそれと等価な組み合わせ論的な構造の記述を与える準傾複体や台τ傾加群の変異の理論を用い,量子群に関連した組み合わせ論的構造の圏化の理論を与えることを目指している.本年度は採用期間の初年度であるため,研究計画を実行するための調査や準備的な研究が主な研究活動となった.Hernandez-Leclercにより導入されたポテンシャル付き箙に付随するJacobi代数の準傾理論に関する研究を行い,適切な直交性を持つと思われる複体たちからなるいくつかの部分圏の暫定的な定義を与えた.また,この暫定的な部分圏たちから変異により圏化されると期待される量子affine代数(の変種)の適切な表現からなるモノイダル圏のGrothendieck環たちが持つcluster構造の理解を目指してフランスCaen大学のBernard Leclerc氏と研究議論を行った. 研究発表としては京都大学数理解析研究所の藤田遼氏との共著論文,Deformed Cartan matrices and generalized preprojective algebras II: general type がMathematische Zeitschrift誌に受理された.また国内の研究集会,セミナーにおいて2件の口頭発表をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象の暫定的な定義を与えられたため具体的に何を調べるのか明確にするという意味で研究計画初年度の進捗としては進展していると考えられる.円安やスケジュール調整の問題により当初予定していたほどの海外渡航での研究打ち合わせによる進展を実現させることはできなかったため達成度を一つ下げた.
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Strategy for Future Research Activity |
Derksen-Weyman-Zelevinskyによるポテンシャル付き箙を用いたcluster代数の圏論的解釈の理論およびその準傾理論を用いた理解についての研究を援用し,上記で定義した複体たちのなす部分圏およびその変異を用いて対応するcluster代数構造を介して量子群の表現論における数値的情報の理解を深める.例えば対応するモノイダル圏においてcluster構造を介して複体に対応すると期待される量子群の表現のq-指標の幾何学的構成やそれらの満たす関数等式のJacobi代数の表現論を用いた解釈について考えるなど数値的帰結を伴うようなより具体的な問題を定式化し証明方針を検討する. 受け入れ研究者である伊山修氏は準傾理論の第一人者であるため議論などを通して本研究計画での研究手法にあたる準傾部分圏の変異の理論について理解を深める.量子affine代数およびその変種の表現論に関しては,具体的な問題設定を考える上でこれから専門性を高めることが必要なトピックであるため文献を読み込み共同研究者と議論を行うことで研究に必要な知識や問題意識の習得に努める.
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