Project/Area Number |
23KJ0351
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 美彩子 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 体現的シミュレーション仮説 / 表情認知 / 表情表出 / 加齢変化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,体現的シミュレーション仮説に着目し,表情認知における加齢変化のメカニズム解明を目指す。体現的シミュレーション仮説では,他者の表情を見ると,その表情に関連した神経表象の活性化や表情模倣が生じて他者の感情状態を疑似的に経験し,その自身の身体状態から他者感情を逆算的に推定できると考えられている。そこで本研究では,自身の表情変化や感情経験が表情認知に寄与すると仮定し,表情認知の加齢変化が,表情表出および感情経験の加齢変化によって説明され得るか検討する。さらに,高齢者への表情表出トレーニングの実施が表情認知精度向上につながるか検証し,高齢者の表情認知が可逆的に変化し得るものであるか検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、体現的シミュレーション仮説に着目し、表情認知における加齢変化のメカニズムを解明することを目指す。体現的シミュレーション仮説では、他者の表情を見ると、その表情に関連した神経表象の活性化や表情模倣が生じて他者の感情状態を疑似的に経験し、その自身の身体状態から他者感情を逆算的に推定できると考えられている。そこで本研究では、自身の表情変化や感情経験が表情認知に寄与すると仮定したうえで、表情認知における加齢変化が「表情表出の加齢変化」と「感情経験の加齢変化」によって説明され得るか検討することを目的とし、第一年度は、以下2つの研究を実施した。 研究1では、表情を明確に表現可能な人ほど他者の表情に対する認知精度も高いという関連性が高齢者でみられるか検証するため、同一個人内における表情表出と表情認知の関連を検討する。現在予備実験を終えた段階であり、第二年度にデータの収集及び解析を実施する予定である。 研究2では、経験頻度の高い感情は年齢によって異なるという信念が、表情認知に及ぼす影響について検討し、例えば「高齢者は悲しみの感情を日常的に経験しやすい」というステレオタイプを持っている者は、高齢者の顔表情を悲しみに帰属しやすい、といった関連がみられるか検討した。若年者と高齢者の顔画像を用いた表情認知課題と、日常生活において若年者及び高齢者がそれぞれどのような感情を経験しやすいと思うかを尋ねる感情経験評定課題を、若年者に実施した。その結果、表情認知において誤帰属が生じやすい感情は経験頻度も高く評定されるという共通の傾向が、若年者顔と高齢者顔のそれぞれで観察されたが、表情認知と感情経験評定の間に有意な相関は認められず、感情経験の年齢ステレオタイプは表情認知精度に直接的には影響を及ぼさない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一年度は上記のとおり、研究1の準備と研究2の実験を実施した。研究開始前の計画では、研究1を第一年度に、研究2を第二年度にそれぞれ実施する予定であったため、実施順序を変更して研究をすすめているが、感情経験の年齢ステレオタイプと表情認知の関連について検討する研究2の成果は、2024年度の国内学会で発表する予定であり、研究1のデータ取得については第二年度序盤からすすめられる準備が整ったため、研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
第二年度は、感情経験の年齢ステレオタイプと表情認知の関連について検討した研究2の成果をまとめて論文を執筆し、国際誌で発表することを目指す。それと並行して、現在進行中の研究1(同一個人内における表情表出と表情認知の関連を検討する)のデータ収集を実施する。データ収集が完了し次第、得られた成果を国内外の学会で発表する予定である。
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