光ファイバ上の側圧や歪を分布計測可能な偏波光相関領域反射計の研究
Project/Area Number |
23KJ0358
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 康平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 光ファイバセンサ / 分布型光ファイバセンサ / 偏波 / ブリルアン散乱 / 複屈折 |
Outline of Research at the Start |
近年、老朽化した社会インフラをモニタリングする必要性に対し、長距離の測定が可能であったり、電磁ノイズに対して頑健であるといった利点をあわせ持つ「光ファイバセンサ」が注目されている。中でも測定ファイバ上の後方ブリルアン散乱光の偏波状態の分布を計測することで、測定ファイバ上の側圧等の分布を計測可能な「偏波相関領域反射計(POCDR)」 を用いて、建造物等の「どこで」「どの程度」異常が発生しているかをモニタリングする独自の手法の実用化にむけ研究を行う。POCDRにおける参照光の偏波制御を改善することで高速測定可能な系を組み、フィールドでの計測を実証したいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、偏波BOCDRを用いた三軸歪測定に向けて、BOCDRの性能向上と偏波計測システムの性能向上が必要であると考え、それぞれの課題に取り組んだ。まずBOCDRの性能向上に関しては、従来知られている空間分解能お理論値で表現されていなかった、印加歪に対する依存性を明らかにした(OFS-28で講演)。さらに、周期ノイズBOCDRを開発し、なめらかな歪分布の計測を行った。従来の正弦波変調BOCDRと新たに開発した周期ノイズBOCDRをビートスペクトル形状を手掛かりに比較した結果、前者はステップ状の歪分布に、後者はなめらかな歪部分布に対してそれぞれ適していることが明らかにし、それぞれの歪分布を計測可能な条件を示した。また、この研究はワイヤ駆動ロボットの研究者との共同研究も含み、プーリーに巻き掛けたワイヤの張力分布を計測し、指数関数状の張力分布が発生していることを実測した(CLEO 2024 アクセプト)。 一方、偏波計測システムの性能向上に関しては、既存の偏波OCDRの実験系は年度内に構築できず特に進捗は得られていない。また、新たな偏波計測の原理実証として考えていたアイデアの予備実験を行ったがその結果は予想と異なったため方針の再検討を行っている。 総括すると、BOCDRの性能向上に関する研究では周期ノイズBOCDRの開発とその有用性の確認が進展したが、偏波計測システムの性能向上に関しては課題が残る点もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BOCDRの性能向上に関する研究では周期ノイズBOCDRの開発とその有用性の確認が進展したが、偏波計測システムの性能向上に関しては予備実験の結果を踏まえて方針を再検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
BOCDRの性能向上に関しては継続して行う。具体的には、まずBFSおよびBGS計測の精度について定量的な評価を行う。さらに、偏波計測との融合を視野に入れて、測定時間を短縮するためにブリルアン信号をダウンコンバートする局部発振器の掃引を工夫する。偏波計測としては、これまでに実証されている偏波分布計測の結果を複屈折分布計測へ拡張し、偏波OCDRで側圧測定を実証する。以上の改良を融合して、三軸歪分布計測の実現に向けて改良を重ねる。 また、現状のBOCDRは実験机に複数の光学デバイスを配置したシステムであり実環境での動作を試験することが難しいことが課題の洗い出しの足かせとなっていることを踏まえ、実験系の小型化および可搬化を外部の技術者との共同研究で推し進める
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)