Project/Area Number |
23KJ0372
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 善章 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 嗅覚情報処理 / ショウジョウバエ |
Outline of Research at the Start |
動物は睡眠時に感覚刺激への応答性を著しく低下させる。この現象は本研究で用いるキイロショウジョウバエを含む動物で普遍的に観察されるが、その神経基盤は不明である。そこで本研究では、動物を覚醒させる作用が他の感覚刺激に比べて弱い嗅覚に着目し、睡眠・覚醒時の匂い情報処理の差異とそのメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
私はショウジョウバエの嗅覚をモデルとして、匂いの快・不快の決定や、それらが運動情報に変換される情報処理・回路メカニズムの解明を目指しています。この目標を達成するために、これまで以下の3つの成果を挙げました。 1.機能未知の脳領域である前大脳の大多数の細胞から単一細胞レベルの分解能で神経活動を記録するツールの開発:匂いの快・不快の決定やそれらの運動情報への変換を担う脳領域として、ショウジョウバエの脳高次中枢である前大脳が注目されてきましたが、前大脳の機能に関してはほとんど未知の状態でした。その最たる理由として、前大脳から神経活動を記録するためのツールが不足していることがありました。そこで私たちは、前大脳からの神経活動取得を可能にするツールの開発を行いました。紫外光を当てると蛍光輝度が上昇する光活性型GFPとカルシウムレポーターGCaMPを組み合わせることにより、前大脳の大多数の細胞から、単一細胞レベルの分解能で活動を記録することに成功しました。 2.前大脳が匂いの快・不快の情報を表現することの解明:次に前大脳がどのような情報処理を行なっているかを調べるための解析を行いました。解析の結果、前大脳の一部で匂いの快・不快の情報が表現されていることを明らかにしました。 3.前大脳が匂いの快・不快の情報を運動情報に変換している可能性の発見:次に匂いの快・不快の情報がどこでどのように運動情報に変換されているかを調べるために、顕微鏡下でショウジョウバエを歩行させるためのシステムの開発を行いました。次に歩行しているショウジョウバエの前大脳から匂い応答を記録し、解析を行いました。解析の結果、前大脳の一部が匂いを提示した後の行動の一側面を表現していることを明らかにしました。これは前大脳において、匂いの快・不快の情報が匂いによって誘発される行動の情報に変換されることを示唆しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績に示した3について、前大脳が匂いの快・不快の情報を運動情報に変換している可能性を当初の予定よりも早く発見したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究実績に示した1-3の結果に加えて、すでに公開されている「ショウジョウバエの全脳コネクトームデータ」を用いたシミュレーションを行い、匂いの快・不快の情報が運動情報に変換される回路メカニズムにまで迫っていく予定です。
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