Project/Area Number |
23KJ0388
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
JUNG YOUNGCHEOL 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | タンパク質結晶構造解析 |
Outline of Research at the Start |
未知タンパク質のX線構造解析には位相問題の解決が必須不可欠である。しかし、従来の方法である重原子を用いた手法は重原子を含んだタンパク質の構築が必要となるなど、構造解析まで手間とコストがかかる。また、近年タンパク質が元来有 する硫黄原子を用いて位相決定を行う手法が注目を集めているが、現在のところ適用範囲が限られている。 本研究では、M6L4型錯体と呼ばれる超分子化合物が特定のアミノ酸配列と強い相互作用を示すことに着目し、その分子認識能を用いた新たなタンパク質構造解析手法の開発を目指す。さらに、この手法を用いて既存の手法が抱える問題を解決し、広範な未知タンパク質の構造決定を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、M6L4型錯体と呼ばれる超分子化合物が特定のアミノ酸配列を認識することの応用として、新たなタンパク質構造解析手法の開発を目指しました。まず、本手法を適用するためのタンパク質候補として、既知のタンパク質とは相同性の低いウイルス由来タンパク質に着目しました。本研究グループでは、先行研究としてウイルス由来テルペン合成酵素を発見し、その機能を明らかにしましたが、構造解析にあたっては低い相同性のため、重金属を導入したタンパク質の再発現からその構造を明らかにしたことがあります。
本研究では、重金属導入ではなくM6L4錯体を用いてタンパク質構造解析を行う本手法の確立のため、アミノ酸配列の末端に認識タグを付加したタンパク質を発現しました。発現したこのタグ付きタンパク質に対するM6L4型錯体の分子認識能は、表面プラズモン共鳴や等温滴定カロリメトリーなどを用いて確認しました。本酵素だけでなく、他にいくつかのタンパク質に対しても同様な結果が得られました。
その結果、単純な直線鎖のペプチドよりも複雑な構造を示すタンパク質を用いた場合でも、M6L4型錯体と相互作用し、複合体を形成する可能性が示唆されました。これらのデータをもとに、今後はタンパク質結晶化スクリーニングを行い、結晶化条件の最適化を行った後、得られた結晶をX線結晶構造解析を用いてタンパク質-M6L4錯体複合体の3次元構造を明らかにすることを目指します。また、DOSYなどを用いて、複合体が存在することを確認する予定です。さらに、様々なタグ付きタンパク質を発現させ、本手法の汎用性も検証します。
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