Project/Area Number |
23KJ0402
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名取 雅生 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | K理論 / バルクエッジ対応 / Quotスキーム |
Outline of Research at the Start |
物性物理学において自由フェルミオンのギャップドシステムはK理論により分類されることが知られている. また, Freed-Hopkinsにより, ボルディズム群のAnderson双対による可逆場の理論の分類が提唱されている. このように物理と一般コホモロジー論の関係が明らかになりつつある中, 本研究では配置空間とバルクエッジ対応を用いて一般コホモロジー論を幾何学的, 物理的に捉え直すことを目標とする. 具体的には, バルクエッジ対応の配置空間を用いた新しい証明と, Atiyah-Hirzebruchスペクトル系列など各種スペクトル系列の計算への応用を行う.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は配置空間の観点から一般コホモロジー論, 特にK理論を見直す一環として, K理論のBott周期性の別証明と整数量子ホール効果のバルクエッジ対応の別証明を行った. ここでの配置空間とは, 点同士が衝突してもよく, また点にラベルが付いているものである. 常(コ)ホモロジーの場合はラベルは整数であり, (連結)K(コ)ホモロジーの場合はラベルはベクトル空間である. Bott周期性を示すには Z × BU → ΩU のホモトピー逆を作れば良い. ΩU の元はベクトル空間でラベル付けされた S^1 から S^1 への基点を保つ多価関数とみなせる. ホモトピー逆を作るにはその”回転数”が定義できれば良い. それを定義するために, 単位円周上可逆な行列係数の多項式の空間から単位開円板上のベクトル空間でラベル付けされた配置空間への連続写像を構成した. 連続性を示す際に, 代数幾何学におけるQuot スキームを使い, スキームの射として構成した後, 解析化により連続写像を得るという手順を取った. 論文で示したバルクエッジ対応はタイプAの2次元自由フェルミオンギャップシステムのバルク指数とエッジ指数が一致することを主張する定理である. パラメータ空間(この場合は S^1)を X とすると, バルク指数は K(X × S^1) の元の第1 Chern数である. γ をギャップを表す C 内の単純閉曲線とすると, エッジ指数は K(X × γ) の元の第1 Chern 数である. 各々のK 群の元はBott 周期性により K(X × S^1 × (D_γ,γ)) と K(X × (D^2, S^1) × γ) の元とみなせる. これらを合わせて K(X × S^3) の元とみなすと 0 になることからバルク指数とエッジ指数の一致を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は当初の目標のうち, 配置空間を用いてK理論のBott周期性を見直すこととバルクエッジ対応を幾何学的な描像を用いて再証明することを達成できた. また, これらのことがKR理論にも拡張されることを観察した. しかし, Clifford対称性を直接用いてKO理論に拡張するには困難があることがわかった. また, 更なる目標としてここまでの考察をAtiyah-Hirzebruchスペクトル系列の計算に活かすという目標があったが, 本年度はそこまでには至らなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として以下の2つが考えられる. (1) これまでに得られたBott周期性の別証明の考え方を別の一般コホモロジーに対して拡張して, 群完備化定理の別証明を与える. (2) これまでに得られたバルクエッジ対応の幾何学的な証明をK理論のAtiyah-Hirzebruchスペクトル系列の計算に応用する.
|