Project/Area Number |
23KJ0443
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横峰 真琳 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 中分子 / タンパク質間相互作用 / 創薬 / N置換ペプチド / 分子認識 / 立体構造解析 / 人工オリゴマー / インシリコ |
Outline of Research at the Start |
細胞内タンパク質間相互作用(PPI)を制御できるPPI阻害剤は、分子レベルでの生命現象の理解や、がんや神経変性疾患をはじめとする疾患の治療につながる。PPI阻害剤開発においては、人工中分子性の足場分子が注目されている。しかし、既存の分子は直線的で単純な繰り返し構造しか形成できないため、直線的な相互作用界面を持つPPIしか標的とすることができない。そこで本研究では、平面的な広がりを持つPPI阻害剤開発に応用可能な人工中分子性の足場分子の実現を目指す。まず、平面的に広がる足場分子の設計および構造解析を行う。次に、構造解析をもとに、この足場分子を用いたPPI阻害剤を設計・評価し、実用性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内タンパク質間相互作用(PPI)阻害剤開発において、阻害活性と膜透過性を両立しうる人工中分子を足場として用いる戦略が注目されている。しかし、既存の足場分子は、直線的で単純な繰り返し構造しか形成できず、直線的な相互作用界面を持つPPIしか標的とすることができない。 そこで本研究では、平面的な広がりを持つPPI阻害剤開発に応用可能な人工中分子性の足場分子の実現を目指す。当該年度では1. 平面的に広がった多様な足場分子の開発、2. 合成法の確立、及び3. PPI阻害剤の設計を行った。以下に具体的な結果を記す。 1. 単体で配座制御されるモノマーを組み合わせることで、平面的に広がった多様な足場分子を実現できると考え、局所的な立体反発により単体で配座制御されるNメチルアラニン(NMA)に着目した。鏡像異性体であるL体とD体のNMAを組み合わせたLD混合オリゴNMAの立体構造を計算化学により予測し、主慣性モーメント解析を行ったところ、平面的に広がった多様な構造をとることが示された。次にLD混合オリゴNMAの構造解析を行い、予測した通りの構造をとることが確認された。 2. タンパク質を構成するアミノ酸の側鎖を、LD混合オリゴNMAに導入するための合成法の検討を行った。保護基の探索、後期修飾の検討により、新たにチオール基、グアニジノ基、第1級アミド基を導入することに成功した。 3. 転写制御に関わるPPIを標的として、ホットスポットをLD混合オリゴNMA上に提示する分子43個を設計・合成し、蛍光偏光法により評価した。その結果、阻害活性は低かったものの、標的PPIを阻害する分子を複数得ることに成功した。 今後、設計法の改善や、非天然の官能基の導入により、人工中分子による平面的な広がりを持つPPI阻害剤開発の実現に近づくと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、LD混合Nメチルアラニン(NMA)の構造解析とPPI阻害剤のin silico設計の実施を予定していた。 LD混合NMAの構造解析については、当初予定していたX線結晶構造解析と二次元NMRによる水中での構造解析だけでなく、共同研究により、X線自由電子レーザーを用いた微結晶の構造解析と、原子分解能単分子実時間電子顕微鏡イメージングも行った。これにより、結晶化の困難な残基数の長いLD混合NMAの構造解析を行うことができ、PPI阻害剤の足場としての利用に有用な6残基や10残基のLD混合NMAの構造を評価することに成功した。実際にモノマー単位で見られる立体反発により制御された構造がオリゴマーでも実際に維持されていることが示され、多様な足場構造をボトムアップで設計可能になったと言える。これはPPI阻害剤設計に限らず、触媒やリンカーとしての利用など、幅広い応用が期待される結果である。 PPI阻害剤のin silico設計については、当初予定していたKRASとBRAFではなく、アッセイ系が確立されている転写制御に関わるPPIを標的として行った。結果として、活性は低いものの、PPIを阻害する分子を設計することに成功した。 以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた活性の低いLD混合Nメチルアラニン(NMA)を足場としたPPI阻害剤について、官能基に非天然構造を導入することにより、阻害能の向上を試みる。また、これと併せて、実験的にライブラリスクリーニングを行い、より活性の高いLD混合NMAを足場として用いたPPI阻害剤の取得をすることを目指す。in vitroで十分活性の高いPPI阻害剤が得られたら、細胞内でも阻害活性を持つのかを調べ、阻害活性が低かった場合は膜透過性等、結合活性以外の要素の検討を行い、分子を最適化する。 以上の方針をもとに、LD混合オリゴNMAを足場として用いて、細胞内PPI阻害剤の開発が可能であることを示す。
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