Project/Area Number |
23KJ0508
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 悠衣 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Dietary patterns / National survey / Environmental health / Environmental nutrition |
Outline of Research at the Start |
本研究は、都市化指標を取り入れ、その地域またはその個人がどの程度都市化しているか を把握し、それぞれの食に起因する健康影響及び環境影響を明らかにし、都市化地域の持続可能性と人々の健康を両立していくための枠組みの作成に貢献することを目指す。本研究では、インドネシアの中規模都市及び農村にて急激な社会変化と食に起因する健康・環境影響を明らかにする 。それは、急激な社会変化の影響が経済発展している地域の人々の生活に顕著に現れており、負の健康・環境影響が引き起こされる可能性が高いためである。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、博士課程の最終年度であり、学位の取得に向けて多岐にわたる活動を行った。Dietary transition and its impacts on nutritional intakes and environmental loads in Japan and Indonesia since 2000 (2000年以降の食遷移が日本とインドネシアの栄養摂取量と環境負荷に及ぼす影響)と題する博士論文を英語で執筆し、博士号(農学)を取得した。また、スペインへの研究留学を行った。この留学では、食由来の環境負荷量の推計手法について学んだ。また、当該分野の最先端を行く研究者と対面で議論する機会を得て、非常に有意義な経験となった。スペインでの滞在中は、同分野における国際的な動向を学ぶこともでき、研究者としての視野を広げる貴重な時間を過ごした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本とインドネシアにおける2000 年以降の食遷移が栄養摂取量および食料消費に由来する環境負荷に及ぼす影響を定量的に解明することを目的とし、インドネシアでの食事調査データおよび日本の厚生労働省担当部局から入手した国民健康・栄養調査の個票データをもとに分析した結果、①日本では欧米諸国と比較して牛肉の摂取量は低いために牛肉摂取量の減少による環境負荷量の減少ポテンシャルは相対的に低いこと、②日本の女性の食事パターンは2通り(米/野菜/和風調味料型およびパン/乳製品型)、男性は4通り(前述の2通りに加え肉/油型と麺型)に類型化されること、③前述の米/野菜/和風調味料型においてGHG排出量が最も高いこと、④インドネシアの大学生の栄養摂取量データに基づきGHG排出量を推定した結果はEAT-Lancet委員会による推奨量とほぼ同等であること、⑤2000年以降の日本の国民健康・栄養調査データは調査対象者が概ね十分な栄養摂取量を満たしていることを示すものの、食事由来のGHG排出量はEAT-Lancet委員会による推奨量の2.5倍と大きく上回っており、かつ米/野菜/和風調味料型においてGHG排出量が最も高いことをそれぞれ明らかにしている。したがって、1980年代に農林水産省が提唱したいわゆる「日本型食生活」についても環境負荷の削減可能性という観点から検討する余地があり、人類の健康と地球環境の双方に配慮した持続可能なより望ましい食事とはどのようなものかを追究するというさらに大きな今後の研究課題の存在を提示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の内容で進めていく予定である。①データ収集と分析の強化:昨年度の研究で得られた初期データをさらに深堀りし、追加のデータを収集することで、分析の精度と信頼性を高める。新たな統計手法やモデリング技術を導入して、より詳細な洞察を得る。②国際的な共同研究の展開:海外の研究機関との共同研究を通して、国際的な視点から問題にアプローチする。共同研究を通じて、異なる地域のデータを比較分析し、グローバルな環境負荷の傾向を解析する。③成果の普及と啓蒙活動:研究成果を国際学会で発表する。ソーシャルメディアやウェブサイトを活用して、研究の進捗や成果を定期的に公開し、社会との接点を増やす。
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