Development of multiscale simulation method for nano-polycrystalline thermoelectric materials
Project/Area Number |
23KJ0511
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱川 登夢 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ナノスケール熱伝導 / フォノン輸送 |
Outline of Research at the Start |
ナノ多結晶構造の熱電発電材料設計のためのマルチスケールなシミュレーション手法の確立を目指す。正確な界面のフォノン輸送特性とRTMC法から、多くの界面を持つナノ多結晶体において、ナノスケールの界面状態がマクロの熱伝導特性にどのように影響するのかを解明する。さらに、電気伝導特性を簡便に計算するための手法として分子動力学計算と非平衡グリーン関数法を組み合わせたMD-Landauerの方法をベースにした計算手法の理論構築とその評価・拡張を行う。これらの研究においては、原子間ポテンシャルとして機械学習ポテンシャルを用いることで、計算コストを抑えつつシミュレーションの精度の上昇を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ナノ多結晶構造の設計のためのマルチスケールなシミュレーション手法の確立を目的としており、大きく分けて3つの研究計画:(1)レイトレーシングモンテカルロ法を用いた解析(2)MD-Landauer法の理論構築と拡張(3)機械学習ポテンシャルを用いた熱伝導シミュレーションの高速化を予定しており、2023年度は(3)に取り組んだ。 機械学習ポテンシャルとしては、スパースガウシアンプロセスポテンシャルを用いる予定であったが、要求トレーニングデータの少なさとシミュレーションの安定性と高速性からモーメントテンソルポテンシャル(MTP)に変更した。計算対象としては予定通り高い熱電発電性能を示す超イオン伝導体Cu2Se系を選択し、第一原理計算によるトレーニングデータの収集とポテンシャルの学習、また、学習したポテンシャルを用いてグリーン・久保法および非平衡分子動力学法による熱伝導率計算を行った。 グリーン・久保法に関しては下記の進捗状況説明で触れたがMTPは熱流束に関して不安定性があり、Cu2Seの原子拡散現象の熱伝導率への寄与率の評価が直接行えず、非平衡分子動力学法により計算された熱伝導率と原子拡散に関するトイモデルの結果を比較することで原子拡散の影響を評価した。その結果、拡散係数に熱伝導率が比例することを示し、高温では原子拡散が熱伝導に大きく寄与することを明らかにした(10th US-Japan Joint Seminar on Nanoscale Transport Phenomenaにて発表)。また、先述のグリーン・久保法の問題についても原因の解明に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RTMC法やMD-Landauer法などナノ多結晶構造のシミュレーションに用いる手法に機械学習ポテンシャルを用いることでシミュレーションの正確性の向上を狙っており、そのために機械学習ポテンシャルのひとつであるモーメントテンソルポテンシャルによる熱伝導率計算を行っていたが、分子動力学シミュレーションにおける熱流束が不安定である問題が判明し、その原因の解明に時間を費やし、予定通りに進まなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、実績で述べた(1)レイトレーシングモンテカルロ法を用いた解析(2)MD-Landauer法の理論構築と拡張について取り組む。(1)について、レイトレーシングモンテカルロ法を用いることでナノ多結晶系のフォノン平均自由工程の評価が行えるが、サイズによる計算時間の問題がある。そこで、マルチスケール化のために、ナノ多結晶系をグラフ化し、グラフニューラルネットワークによる熱伝導率の予測モデルを構築を試みる。さらに、グラフで予測モデルを立てることで、ナノ多結晶系の構造と熱伝導特性もしくはフォノン輸送特定の関係についてグラフの構造という観点から解析する。(2)について、特別研究員採用前に行った理論的導出の数値実験を行う予定である。第一原理的電子-フォノン相互作用およびフォノン-フォノン相互作用の緩和時間とMD-Landauer法から得られる緩和時間との比較を通して、MD-Landauer法の評価を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)