Project/Area Number |
23KJ0543
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 駿平 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 記述子 / 深層生成モデル / ケモインフォマティクス / バーチャルスクリーニング / 数値と構造の対応付け |
Outline of Research at the Start |
本研究では、in silico解析による薬物の毒性予測や動態特性予測に有用な、化合物構造に逆戻り可能な手法の開発を目的とする。現在の記述子では、特定の部分構造が予測に寄与しているかを理解することが困難であるため、精度向上とともに部分構造と解析結果の対応付けを可能にすることを目指す。具体的には、(i) EDモデルの精度向上、(ii) SMILES表現からの記述子抽出による濃縮解析、の2つの手法を並行して行い、構築されたEDモデルによって得られた逆戻り可能な数値化手法を用いて、薬物の活性予測を行い、実験的に検証する。また、記述子から類似した化合物を選択し、同様の作用が見られるかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大規模かつ効率の良いシーズ探索や薬物の毒性予測・動態特性予測には、計算機を用いたin silico解析が有用である。薬物をin silico 解析に供するためには、化合物の構造や特性を数値(ベクトル量)に変換する必要があり、これは記述子と称されている。昨今の深層学習の発達により、化合物構造を網羅的かつ恣意性なく表現可能な記述子の開発が進み、in silico 解析による作用予測等の精度は向上している。しかし既存記述子の多くは、元の化合物構造へと戻ることができず、ある薬物の特性を予測した際に、どの特徴が当該予測に寄与しているかを理解することは困難となっている。本研究では、深層学習による構造に逆戻り可能な、シーズ探索および生物学的特性予測に寄与する化合物数値化手法を開発する。2つの方策で進行中である。 方策1:既に構築済みの深層生成モデルに対して、モデル構造および学習パラメータの最適化を実施し、深層生成モデルの学習精度の向上に成功した。加えて、複数の異なる深層生成モデルに化合物構造を学習させ、構造復元制度や構造生成能力を比較し、最も精度の良いモデルを決定した。深層生成モデルの学習精度の向上はより厳密な構造への復号を可能にし、構造と数値ベクトルの対応付けがより密接になるとともに、記述子となる潜在表現の構造表現力が向上し、生物活性予測の精度向上に寄与することが期待される。 方策2:記述子が大規模なシーズ探索に有用であるという観点から、深層生成モデルから構造を生成してバーチャルスクリーニング(VS)を行う系の構築に取り組む。方策1で構築した深層生成モデルに乱数を入力することで多様な骨格を有する構造群を生成し、ドッキングシミュレーションによって対象タンパク質との親和性が高い構造を抽出することが可能である。本研究の遂行により、記述子からVSまでのスキームをシームレスに実行可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
方策1について 当初の計画通り深層生成モデルのハイパーパラメータを最適化し、複数のモデルについて比較したことで、モデルの精度向上を達成した。 方策2について 方策1で構築した深層生成モデルを活用してバーチャルスクリーニング系を確立することは、より性能の高い記述子作成手法が大規模なシーズ探索に寄与することを示すことに繋がる。現在、深層生成モデルから生成された構造をドッキングシミュレーションに通すことで医薬品候補化合物を取得している。 このように、研究計画と比べ、順調に研究は推移している。加えて方策2は研究計画から深く踏み込んだ内容を進めており、区分1と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)記述子と部分構造を対応付ける規則の開発、(2)記述子を毒性/動態特性予測に活用する研究、(3)記述子を大規模シーズ探索に活用する研究、の3つの観点で研究を進めていく方針である。 (1)精度の高い深層生成モデルでは記述子全体と構造全体の対応付けが可能であるが、記述子の各特徴量と部分構造の対応付けについて不明である。部分構造をベースとした既存記述子が各特徴量に濃縮されていれば対応のつく構造であることが示されるため、既存記述子との関係性について解析する。 (2)現在公共データベースから毒性および動態特性のテーブルデータを取得し、既存記述子と深層生成モデルから取得した記述子をそれぞれ入力とした機械学習モデルを作成している。各モデルでの予測精度を比較して、どのような記述子が予測に寄与するのか解析する。 (3)ドッキングシミュレーションによって探索された医薬品候補化合物について、公共データベースにない新しい構造であることを確認している。現在、本化合物の合成を依頼しており、合成され次第生物学的実験によって対象タンパク質への作用があるかを検証する。
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