Project/Area Number |
23KJ0571
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹村 樹生 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超音波モータ / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
進行波型超音波モータは低慣性・高速応答などが特徴のアクチュエータであり,仮想現実(VR)や遠隔手術システムでの力覚提示などのロボティクス応用が期待される.しかし、これらの応用の実現には非線形性により制御が困難であることや,摩耗による短寿命などの課題を解決する必要がある. 本研究では摩擦接触と圧電振動の相互作用を取り入れた理論的モデルを構築し,非線形システムにも適応可能な深層強化学習制御を用いた高速応答化や,高調波重畳による摩耗低減の解析や設計に応用する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,超音波モータの持つ制御性や駆動効率等の課題を解決することで,ロボティクス領域への超音波モータの応用展開を目指し,これらの課題の根本的な理解の為に必要な,超音波モータの圧電振動と摩擦接触の統一的なモデルによる解析を行っている.
本年度は特に制御性に注目し,上述の超音波モータのモデルを用いて,超音波モータの起動・停止を含む過渡応答のモデル化と解析を行った.超音波モータは低慣性・高トルクであることから応答性に優れているとされているが,その一方で停止応答時間1msに対して起動応答時間は数十msと大幅に遅い.これは,圧電トランスデューサのハイパワー駆動に広く見られるヒステリシスのため,起動時にのみ周波数掃引が必要となるからである. そのため,起動応答性を決定する要因は周波数掃引に大きく依存する.過渡応答解析の結果,ある程度までは掃引時間を速くすることで応答が速くなる一方,ステータ振動の立ち上がりに対して掃引が速すぎる場合には,ステータ振動は励振されなくなることが明らかになった.これは,周波数掃引の制御には最適値が存在し,単に速く掃引すれば良いものではないことを示している.
さらに,過渡応答モデルをシミュレーション環境としても利用し,周波数の最適制御を得るためのSoft Actor-Criticと呼ばれる深層強化学習アルゴリズムの実装を行った.駆動電流の実部・虚部,駆動周波数を入力とし,次の制御周期での駆動周波数の変化分を出力とするニューラルネットワークを駆動電流を最大化するように訓練することで,振動の立ち上がりを最適化した.さらに上記の成果をマイクロコントローラを中心とした,駆動電圧信号の生成と電流の計測を行う制御回路を用いて実際に制御実験を行った.その結果,シミュレーション結果とおおむね一致する結果が得られ,深層強化学習制御により振動立ち上げの高速化が可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動的応答モデルをシミュレーション環境としたSim-to-Realの深層強化学習制御によって、超音波モータのステータ励振の高速応答化に成功しているものの、モータ全体の回転数応答や、2相の駆動電圧の位相差などを用いた多変数制御についてはまだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
モータの応答制御や多変数制御の実施の遅れを踏まえ、深層強化学習による従来構造モータの制御に注力する。高調波重畳モータの設計製作については、想定以上に上記取り組みが早く完了した場合に実施する。
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