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ポストヒューマニズムからみる教師のケアリング:スウェーデンの学校分析を通して

Research Project

Project/Area Number 23KJ0595
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund
Section国内
Review Section Basic Section 09010:Education-related
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

千野 陽平  東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords教師のケア / 教師の協働 / スウェーデン / 職員室 / モノのエージェンシー / ポストヒューマニズム / 教師文化
Outline of Research at the Start

本研究では、スウェーデンの学校における教師同士のケアリング関係を、学校に存在する物に焦点を当てながら活動システム理論を用いてエスノグラフィックに記述する。社会・文化的にケアが重視されるスウェーデンの学校において、子どもに対してだけでなく教師に対してもケアが行われている様子を描くとともに、それが教師の個人的なエージェンシーによるものではなく周囲の物がもつエージェンシーとのもつれ合いによるものである可能性について検討する。それによって、教師同士のケアという視点から見た学校デザインに貢献するとともに、教師同士のケアリング関係の存在が子どもへのケアにいかなる意味を持つかについて示唆を与えると考える。

Outline of Annual Research Achievements

本研究の理論枠組みであるポストヒューマニズムに関する理論的検討(①)、スウェーデンの基礎学校におけるフィールドワークを通したデータの収集(②)、学校職員室に関する。研究レビューおよび雑誌記事を用いた小学校における職員室という場の意味の検討(③)を行った。①について、ブルーノ・ラトゥールのアクター・ネットワーク理論およびJ.J.ギブソンのアフォーダンス理論を手がかりに、教師間でケアがなされるときの人とモノとの絡まり合いのあり方を組み直す記述方法を検討した。その結果、モノのアフォーダンスをモノのエージェンシーの一部と捉えることで、ケアの主体を教師個人とみなすのでなく、その場に存在している多様なモノと教師とが絡まり合った集合体とみなすケアリング関係のあり方を拓いた。②について、居住許可証の発給が大幅に遅れ、当初8月に予定していたスウェーデンへの渡航が11月末へとずれ込んだことに伴い研究の進捗があまり得られなかった。渡航後は基礎学校においてフィールドワークを実施し積極的なデータの収集に努めたものの、想定していた以上に教師の発話における方言の影響が強く、研究の中心を為す教師同士のインフォーマルなかかわりにおける会話の理解や録画・録音したデータの文字起こしが思うように進まなかった。調査は今年度の10月頃まで継続して実施し、さらなるデータ収集および分析を行う予定である。③について、教師同士のケアがなされる学校内の中心的な場として職員室に着目し、学校職員室に関する研究をレビューするとともに、雑誌『考える子ども』における連載記事「職員室の風景」のテキスト分析を行った。前者はレビュー論文として、後者は紀要論文としてともに5月中に投稿予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初2023年8月に渡航し調査を開始する予定だったものの、居住許可証の発給が大幅に遅れ、調査地であるスウェーデンへの渡航が11月末へとずれ込んだため。また、渡航後すぐから基礎学校においてフィールドワークを実施し積極的なデータの収集に努めたものの、想定していた以上に教師の発話における方言の影響が強く、研究の中心を為す教師同士のインフォーマルなかかわりにおける会話の理解や録画・録音したデータの文字起こしが思うように進まなかった。こうした状況の焦りに加えて太陽がほとんど昇らない北欧の冬真っただ中という時期が重なり、12月~2月の3か月間少し鬱気味な状態に陥ってしまったことも研究の進捗が遅れている理由となっている。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定では2024年3月に帰国予定だったものの、4ヵ月分の遅れを補うために2024年9月頃まで現地で調査を継続してデータの収集を行う(4か月分の遅れに対して6か月延長予定なのは、6月中旬から8月初旬までフィールドワークを実施している学校が夏季休暇であることを考慮してのことである)。上記のフィールドワークによるデータ収集に加えて6月および9月に教師に対してインタビューを実施し録画・録音・フィールドノーツに対してさらにデータを加えることで、データ全体をより厚くし分析を精緻化することを目指す。また、すべてのデータの文字起こしおよびそのデータ分析を行い、本データを用いた研究成果を年内に複数の学会で発表する(2024年9月と2025年1月に発表予定)とともに論文の執筆を進めて投稿を行う(7月・11月・1月に投稿予定)。
以上に加えて、2023年度に取り組んでいた文献研究およびレビュー研究を論文化して5月中に2本投稿予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-26   Modified: 2024-12-25  

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