Project/Area Number |
23KJ0621
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 遠 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アメリカ / 現代美術 / アッサンブラージュ / インスタレーション / メディア・アート / 西海岸 / 没入 / サイケデリック |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アッサンブラージュに着目し、1950-60年代の美術の2つの大きな動向──抽象表現主義とポップ・アート──の間にあった実践の多様性から、戦後美術を再考するものである。アッサンブラージュとは絵画や彫刻、写真など複数のメディアの組み合わせからなる造形であり、とりわけ立体造形を指す。アッサンブラージュは1950-60年代にかけてヨーロッパを中心に各地で同時代的な広がりと展開をみせた。また、現代においてもアッサンブラージュのような複数のメディアを組み合わせて用いることは制作の中心的な手法である。戦前・戦後・現代へと、メディア横断的な実践がどのように接続されたのかを射程に含め考察を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コラージュからインスタレーションに至るまで、組み合わせを構成原理とする美術が、どのような理論や目的に基づいて作成されたのか、その歴史的展開を戦前のヨーロッパの前衛から戦後アメリカ美術への流れを軸に描き出すことである。一年目である本年度は、比較的先行研究の少なくあまり認知されていない地域・事例に焦点を当てることを大きな指針に、西海岸の動向を中心に研究を進めていった (1)マッピング:まず、アッサンブラージュを含む、組み合わせを構成原理とする当時の美術全般を攫いマッピングする作業を行った。作家・批評家の言説においてその作品の組み合わせの論理がどのように理論化されているのか、分類した。仮説として、異化、参加、没入の大きく3つに分類するという仮説に至り、このうち、USCOやライト・アンド・スペースの作品のような、サイケデリックな効果に基づいた没入を重点的に検討した。 (2)アメリカ現地での資料調査:(1)に基づき、Getty Research InstituteやUC Berkleyにて資料調査を行った。修士論文で扱ったが、当時コロナ禍のため海外調査が行えなかったクレス・オルデンバーグの資料を閲覧し、60年代後半の作家の活動が60年代前半から連続する観客への効果への関心に基づいているという着想を得た。さらに、西海岸のアッサンブラージュの代表的作家であるブルース・コナーの史料や、西海岸のメディアアートのコレクティヴであるUSCOの史料を調査した。コナーのフィルム作品の個人映写やベイ・エリア・エクスぺリペンタルの映像作家のデジタル化作品の閲覧の機会にも恵まれた。 (3) 組み合わせを構成原理とする現代美術の動向の紹介の一つとして、美術批評家クレア・ビショップによる論考「情報オーバーロード」の共訳を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカでの実地調査の結果、未刊行の史料の収集や対象作品の実見を十分に行うことができ、当該課題に関わる研究論文執筆のための土壌が整った。 しかし、西海岸という先行研究の少ない地域を対象としたため、アメリカ現地での調査が実行できるまで研究が軌道に乗らず、予定していた研究論文投稿の機を逸してしまった。 また今年度中、2回の海外での調査を計画時には予定していたが、円安や物価上昇で金銭的なキャパシティがなく断念した。歴史的展開を戦前のヨーロッパの前衛から戦後アメリカ美術への流れを議論するためには、ヨーロッパでの調査が不可欠であり、次年度以降実行したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、十分な一次史料の調査をアメリカで行うことが出来た。リサーチ史料が集まった今年度を踏まえ、2024年度はこれらの史料調査をまとめる作業に入り、3本の論文として調査結果を外部に公開することを目標とする。 リサーチとしては、ヨーロッパ─アメリカ間の関係・動向の調査に今年度は軸足を置き、ヨーロッパでの史料調査も行って、特別研究員期間内に、当該課題として一定のまとまりをもった成果を報告したい。 また、研究成果をアカデミアだけではない広い層にも伝えるための試みとして、美術作家と協力し展覧会とシンポジウム形式と組み合わせた研究発表や、研究内容をまとめた小冊子の頒布も予定している。
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