Project/Area Number |
23KJ0698
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61030:Intelligent informatics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越塚 毅 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | データ駆動型シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では、現状のニューラル微分方程式分野における主要な3つの課題の解決に取り組む。1.自然科学への応用が乏しいこと。2.ニューラル微分方程式の枠組みで扱える現象が限定的であること。 3.大量の学習データが必要であること。データ駆動型で様々な自然現象の微分方程式モデルを構築する汎用的な手法と、その理論を提供する。自然科学の現象解明の自動化や、自然科学分野の研究者を支援する強力なシステムの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「最小作用の原理に従う個体群動態を学習するNeural SDEの提案」と「Fourier Neural Operatorの初期化バイアスの理論解析」を行なった。一つ目の研究では、同一個体の追跡が困難かつ、粗い時間間隔の観測データしか得られない制約のもとで、生物や物理学の知見を利用しながら、観測データから個体群動態を推定し、シミュレーションを可能する手法を開発した。私の手法は、非常に汎用性の高い手法であり、細胞集団から、人間の集団の経済的な活動などのシミュレーションに利用可能であることを実験的に確かめた。二つ目の研究では、偏微分方程式による物理シミュレーションをニューラルネットワーク (NN)ベースで行う代表的な手法の一つである、Fourier Neural Operator (FNO)を対象に研究を行なった。近年、NNベースの偏微分方程式ソルバーの研究が盛んに行われているが、各手法のモデル構造や、初期化方法、最適化方法に由来するバイアスは、十分に研究されていない。私は、平均場理論やカオス理論に基づいて、FNOの初期化バイアスを初めて理論的に分析し、新たな物理シミュレーション手法の性質を理解することを可能にした。さらに、適切な初期化バイアスを誘導する初期化条件を発見し、モデル学習の安定化させる初期化方法を導くことができた。本研究は、NNベースの偏微分方程式ソルバーに関する研究の中で、モデルの初期化バイアスの理論的解析を試みた初めての研究であり、今後の研究分野の発展に大きく寄与すると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択前から1年目前半で行う予定であった「最小作用の原理に従う個体群動態を学習する Neural SDE の提案 」に関する研究は、計画通り行うことができた。機械学習のトップ国際会議であるThe International Conference on Learning Representations (ICLR) に、トップ25%のペーパーとして採択され、口頭発表とポスター発表を行なった。
1年目前半から2年目で行う予定であった「反応拡散方程式を学習可能な NDEs の提案」に関する研究では、NNを反応拡散系としてみなすことで、NN内部で起こるカオス現象を理論的解析するというモチベーションにつながり、「Fourier Neural Operatorの初期化バイアスの理論解析」の研究につながった。本研究も、自然現象のシミュレーションを行う上で重要なモデルバイアスの解明につながる研究であり、全体の研究課題の目的に沿ったものとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更の予定はない。当初の計画通り、本年度は「NDEsの事前学習手法の検討」に関する研究を行う予定である。
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