Project/Area Number |
23KJ0772
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊邉 萌 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | タンパク質内電子移動 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Research at the Start |
タンパク質内電子移動は、酸化還元反応を担う酵素で起こる生命現象である。代表例は、抗がん剤標的として注目されているリボヌクレオチドレダクターゼがあげられ、その詳細な理解や制御は、基礎研究にとどまらず、医薬応用など幅広い展開が期待される。本研究では、生体共役反応により、電子移動に関与するアミノ酸残基の化学的な捕捉を行い、酵素本来の環境下における電荷局在状態の評価を考えた。さらに、本手法を生細胞系に直接適用することで、生体内電子移動の人工的介入が可能であり、医薬応用などへの展開が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質内電子移動は、医薬標的とされているリボヌクレオチドレダクターゼを代表とする酸化還元を担う酵素においてみられる現象である。そのため、本現象の理解や制御は、基礎研究に限らず医薬応用への展開が期待される。それにも関わらず、タンパク質内電子移動の機構解析は、一部酵素を除いて未解明な点を残している。 そこで我々は、タンパク質内電子移動に着目し、本現象のプローブを開発するために研究に着手した。つまり、複数のアミノ酸側鎖を介した電子移動現象に対して、チロシンやトリプトファンを標的とした化学選択的な有機反応を用いることで、電子移動時の電荷の偏りを観測することを提案した。 今年度は、プローブ開発にあたり量的供給が可能な電子移動モデルペプチドの構築を試みた。まず、ペプチド骨格の選択をおこない、次に電子移動開始部位の探索をおこなった。電子移動開始部位としては、CTバンドへの光照射により電荷分離を引き起こす電荷移動錯体を用いることで効率的なペプチド分子内電子移動を観測できると考えた。更なる種々検討の結果、最終的に、時間分解過渡吸収測定により所望の電子移動時に生じると考えられるラジカル種の生成を確認できた。本結果により、タンパク質内電子移動モデルペプチド構築の足がかりを得ることができた。そのため、今後は詳細な機構解明を行ったのちに、化学選択的な有機反応を用いたプローブ開発を行い、より生体内へと近づけた条件へと展開していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、モデルとなりうるペプチド骨格を見出すことができた。また、過渡吸収を用いたラジカル種の生成を確認できた。以上の2点により、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早期のモデルペプチド構築を行い、その後に構築した系においてチロシンやトリプトファンに対する化学選択的反応を用いたプローブの開発を行う。
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