Biopolitics of Integration and Exclusion in Postwar Japan: Repatriation from Manchuria and Emigration to Latin America
Project/Area Number |
23KJ0794
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 拓海 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2024: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 人口問題 / 人口政策 / 言説 / 統治性 / 歴史社会学 / 社会政策 / 移民政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究では M.フーコーの「生政治」概念を手がかりに、戦後日本における国境を越える人の移動から国民国家を捉え直すことを目的とする。具体的には敗戦直後の引揚、植民地出身者の帰還事業、主権回復後から70年代にかけての戦後南米移民を対象とし、戦後日本がどのような人々を国内に包摂し、どのような人々を国外に排出・排除してきたかのか、人の移動が国民国家体制の再編とどのような関係があったのかを明らかにする。従来の移民研究・ナショナリズム研究では、戦後の「移動」についての包括的な研究がない。そこで本研究では「過剰人口問題」に焦点を当て、人口政策としての移民・移住政策から上記の課題へアプローチする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「過剰人口問題」言説に焦点を当て、人口政策としての移民・移住政策という観点から、戦後日本における国境を越える人の移動から国民国家を捉え直すことを目的としている。 しかし、研究を進行に伴い、研究の対象を、戦後だけでなく1920年代以降に拡大して「過剰人口問題」言説と移民政策との関係を分析している。日本において過剰人口問題が大きく問題化することになるのは1918年の米騒動後のことであり、戦後の人口問題を分析するためには、その前段階となる歴史的な系譜を丁寧に追うことが不可欠であると判断した。そこで、今年度は研究計画を変更し、修士論文で扱った戦前の人口論について、大幅に再検討を加える形で、分析を行い、その成果を発表した。 まず、修士論文で扱った戦前期の人口論について、9月の日本社会学会で「戦前日本における人口・国家・社会:高田保馬の人口方程式とその展開に着目して」と題する口頭発表を行った。 その後、分析枠組みを抜本的に見直し、20年代の「失業」概念の受容との関係で「過剰人口問題」言説が統治実践において果たした役割を検討した。その成果については、東京大学東洋文化研究所Global Asian Studiesと国立台湾大学社会学系が主催するNTU-UTokyo Joint Workshop for Young Sociologists 2024において” Exporting the Excess: The Making of Biopolitics around Overpopulation Discourse in Prewar Japan”という題目で英語の口頭発表を行った。さらにこの報告をもとに関東社会学会が刊行する『年報社会学論集』に投稿し、掲載が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進行に伴い、研究の対象を、戦後だけでなく1920年代以降に拡大して「過剰人口問題」言説と移民政策との関係を分析することにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の研究成果については、7月にインドネシアで開催される13th International Convention of Asia Scholarsで報告することを予定している。 さらに、現在は1930年代の「農村過剰人口問題」言説と満洲移民政策・国土計画政策についての分析を行っている。特に満洲移民政策は、敗戦後に引揚という大規模な人口移動の引き金となるだけに、戦後日本における「国民国家の包摂と排除のメカニズム」を明らかにするという本研究にとって重要な足掛かりとなると考えている。以上の結果は、9月に開催される第97回日本社会学会で報告し、さらに同会発行の『社会学評論』に投稿することを計画している。 今年度はさらに、戦後日本における「過剰人口問題」言説と人口政策の展開について厚生省人口問題研究所の資料を中心に分析する。合わせて、社会保障制度の成立に「過剰人口問題」言説がどのように登場するのか、資料の分析・収集を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)