Project/Area Number |
23KJ0814
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋床 亜伊瑠 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 水中反応 / 固液界面 / インドール / 亜硝酸エステル / オキシム化 |
Outline of Research at the Start |
水中有機化学の知見を活かした新規ペプチド修飾法の開発を目指す。水中反応においては、界面がその反応性・選択性の制御に重要な役割を果たしているため、本研究では反応場としての固液界面を意図的に創成する戦略を採る。ペプチドとラジカル源との反応において、カリックスアレーンなどの包接化合物が「固液界面でのラジカル生成促進」と「ペプチドの分子認識」の両機能を示すことを期待し、研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、固液界面を活用した水中での炭素ー窒素結合生成反応の開発を行い、最終的に生体分子修飾へと応用することを目指している。我々のグループは、炭素ー窒素結合生成反応における窒素源として亜硝酸2-メトキシエチルが効果的に機能することを既に見出しており、令和5年度は亜硝酸2-メトキシエチルを用いた2位置換インドールの水中特異的オキシム化反応を開発した。インドール類の有用な新規修飾法を開発するとともに、生体分子修飾への足掛かりとした。 2位置換インドールと亜硝酸2-メトキシエチルを水中で反応させることで、3位のオキシム化体が選択的に得られることを見出した。2位置換インドールも亜硝酸2-メトキシエチルも水に溶解しないにもかかわらず、反応が高収率で進行することは特筆に値する。また、各種有機溶媒中において本反応を行うと3位のニトロ化が支配的となることから、本反応は水中特異的な化学選択性を示すことが明らかになった。加えてNOガスや亜硝酸t-ブチルなど種々のNO源と比較したところ、亜硝酸2-メトキシエチルが最も効率的に反応を促進することが確認された。 亜硝酸2-メトキシエチルを水中で活用する本反応は、合成的有用性の観点からも優れている。本反応は種々の置換インドール類に適用可能であり、またグラムスケール合成にも応用できた。生成物のオキシムは、C2-置換基に依存する興味深い化学的性質を有しており、β-oximo-α-amino acidやindolenine imineの分子骨格へと変換することができた。本研究の成果は、冒頭で述べた意義に加え、未知の反応性を見出すために水中で有機反応を行うことの重要性を示唆している。特に、酸化に弱いとされるインドール類を水中・穏和な条件下で修飾できたことは、亜硝酸2-メトキシエチルを用いた水中特異的なトリプトファン修飾といった展望に繋がる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
固液界面を活用した水中特異的な反応を新規に見出した。合成的に有用な反応開発へと展開し、生体分子修飾への足掛かりを作ることができたため、研究は当初の目的に向けて順調に進展していると捉えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
固液界面が有機反応にもたらす効果について、より深く調べると同時に、得られた知見を実際の有機反応に活用したいと考えている。
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