Project/Area Number |
23KJ0840
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
冨岡 裕 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 社会言語学 / 消滅危機言語 / 琉球沖永良部語 |
Outline of Research at the Start |
現在、世界の多くの言語が消滅の危機に瀕しているが、消滅危機の度合い、優勢言語への移行の進行度は話者集団により異なる。また、消滅の危機を受けて「言語復興・再活性化」という概念が生じ、言語復興を目指した取り組みが世界中の少数言語話者集団で行われている。しかしながら、復興・再活性化の進捗や成否は話者集団によって様々である。 本研究は、言語移行の要因と過程を解析し、それぞれの話者集団に合った言語復興案を提示し、さらに提案と実行を通して言語復興を実現するために必要な要因を明らかにすることを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は主に次の活動を行った。 (1)琉球沖永良部語話者が実践している言語復興、言語継承に係る活動への参与観察、(2)同活動の企画・運営への協力、(3)沖永良部島の言語・文化の独自性や、日本国内の言語・文化の多様性に対する気づきを若年層に促す活動、(4)(3)の効果をより高めることを目的とした、海外(タイ東北地方)の多言語地域との国際交流活動の企画と実践、(4)沖永良部島とタイの少数言語コミュニティとのネットワーク構築のため、タイ視察の企画と実践、(5)これまでの活動成果の学会等での発信、である。 特に本研究課題では、これまでの研究活動で蓄積されてきた(1)、(2)、(3)の成果をもとに、活動の発展と深化を目指し、(4)や(5)の研究活動を行った。 沖永良部島とタイの多言語地域、少数言語話者コミュニティを結び、特に前者のエンパワーメントに貢献した。さらに、これらの活動に携わったことで、少数言語コミュニティと研究者の双方に、話者(当事者)と研究者の協働に関する経験と知見がもたらされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、沖永良部島内での参与観察だけでなく、琉球沖永良部語話者が地域外で行う活動にも同行し、参与観察を行うことができた。また、他の多言語地域、少数言語コミュニティの視察や、研究成果の発信など、研究者だからこそ提供できるリソースや機会を地域の人々に提供することができた。それらの経験を通じて、研究者の適切な地域への関わり方について、研究者間の内省にとどまらず、地域の人々とも意見を交換しあうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き沖永良部島内外で行われている琉球沖永良部語の言語復興、言語継承の活動に関わり、参与観察を行っていく。 また、当該年度に築いた島外(特にタイ)の少数言語コミュニティとのネットワーク作りや信頼関係の深化にも協働を通じて協力していく。 中長期的には、琉球沖永良部語話者らとの研究活動で得た経験と知見を、他地域、例えば本研究課題が計画段階で研究対象地域に想定していたタイ東北地方からラオスにまたがる少数言語コミュニティにも応用していきたい。そのために、本研究課題の遂行期間中に、当該コミュニティを訪問し、意見交換や中長期的構想の共有を行う。
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