Project/Area Number |
23KJ0873
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安野 秀瑛 東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 下層土 / 13C/15N標識植物残渣 / 圃場埋設実験 / 黒ボク土 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、脱炭素社会の実現を目指し、これまで着目されてこなかった下層土(30~100 cm以深を想定)で、 土壌炭素を隔離する技術を創出する。具体的には、下層土を対象に 13C 標識した植物残渣(ダイズとトウモロコシ)を用いた圃場埋設実験及び室内培養実験を行い、表層土とは温度・水分・気相環境が全く異なる下層土における 有機物の分解/蓄積特性及びその機序を解明することで、下層土での土壌炭素隔離を最大化する知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「下層土における新規有機物の分解/蓄積特性およびその機序の定量的解明」を目的として以下の課題を検証し、日本の畑作地における脱炭素を実現し SDGs に貢献する土壌炭素蓄積技術の創出を目指すものである。 初年度である2023年度は、下層土における新規有機物の蓄積/安定化の解明に必要な圃場埋設実験を計画・準備し、遂行した。まず圃場埋設実験の開始に際して、試験地の土壌調査及び土壌理化学性分析を行った。また、埋設実験に必要な13C標識植物残渣について、C/N比の異なる3つ植物残渣(5 atom%)を必要量作成した。埋設実験は、異なる土壌深度と異なる種類の13C標識植物残渣を組み合わせた処理区を設けた。各深度の土壌に13C標識植物残渣を混合し埋設することで、実験を開始した。埋設後、経時的にカラム内の土壌を採取し、分析する計画である。すでに、埋設後3か月目の土壌サンプルを採取し、各深度における13C標識残渣の残存率を測定・評価した。その結果、残存率は、表層と比較して下層で高い残渣種もあれば、埋設深度で差がない残渣種もあった。この結果から、下層土における新規有機物の蓄積/安定化の解明に必要な重要な基礎データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに下層土における圃場埋設実験を開始し、埋設3か月目の土壌サンプルを採取し、土壌試料の分析も順調に進んでいる。一方で、標識残渣作成に必要な99%13C-CO2ガスの購入が遅れたため、今年度計画していた室内培養実験に代わり、次年度に計画していた埋設実験の各種分析を先行して行った。それらの成果を国内および国際学会で発表する。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
埋設3ヶ月後の分析結果より、表層と下層で植物残渣の種類によって蓄積量が異なることが判った。今後、採取した土壌サンプルの物理分画を行い、各画分中の植物残渣の蓄積量を算出し、新規有機物の物理化学的な安定化機構を解明する。さらに、土壌微生物群集の解析も行い、生物的な蓄積・安定化機構の解明も行う。そして、得られた成果をまとめて、国内及び国際学会で発表する。
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