AIボットの介入は集合知を生み出すか:計算論モデルと大規模集団実験の接続
Project/Area Number |
23KJ0879
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 碧 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(CPD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 集合知 / 文化進化 / 集団 / AIボット / 生成AI |
Outline of Research at the Start |
インターネットを介した膨大な情報の集約による〈集合知の創出〉が素朴に期待されてきた現代社会は、 今やボットの介入がもたらす〈集合知の危機〉に直面している。そんな中、ボットの登場がもたらしたインターネット空間の変容は、現代社会における集合知の可能性に疑念と期待を交錯させている。本研究では、計算社会科学と実験社会科学の接続的な立ち位置から、集団にボットを投入するというエンジニアリング的な介入が、人々の意思決定に及ぼす影響および大規模な集団レベルで生み出す効果を、計算論モデルを通して解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当初の計画通り5月から海外渡航を開始し、Carnegie Mellon University Human-Computer Interaction Instituteにて在外研究を行った。年度前半は主に実験実施に向けた準備を行ったほか、Summer Institute in Computational Social Science (SICSS-Tokyo)においてティーチングアシスタントとして参加した。年度後半からは、特別研究員CPDの採用に伴い、研究計画をより探索的な方向に修正し、AIボットという本研究の研究対象を生成AIに拡張する方向で研究構想の議論を重ねた。現在までに、オンライン集団実験に生成AIを用いたボットを導入する研究手法を新たに構築し、予備実験を実施した。この研究手法の提案は、Asian Advanced Workshop on Social Decision Making and Collective Intelligenceにおいて発表済みである。 また、Carnegie Mellon Universityにおける在外研究と並行して、国内受入先研究室との議論もオンラインで継続的に行い、AIチャットボットが集団形成に及ぼす影響についての実証研究の予備実験を実施した。 その他、本研究計画の着想のもととなった昨年までの研究を取りまとめ、筆頭著者として1件(Interdisciplinary Information Sciences誌)、共著者として2件(Scientific Reports誌、PsyArXiv)の国際共同研究論文が公刊された。また、公益財団法人サントリー文化財団若手研究者のためのチャレンジ研究助成中間報告会では、進行中の研究についての報告を行い、国内外で活躍する人文・社会系の若手研究者を中心に、新たな視点からのフィードバックが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究は当初の計画に記載の通りCarnegie Mellon Universityと東京工業大学において研究テーマに即した実験を順調に進行しつつ、生成AIの普及という現在進行形の社会状況に即した柔軟な研究を展開できていることから、研究計画を上回る研究の進展があったといえる。また、特別研究員CPDの趣旨である国際的な研究競争力をつけるためのアウトリーチ・ネットワーキング活動も十分行うことができていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、本研究計画のテーマである集合知とAIに関する大規模実験の実施を中心に進める。すでにオンライン実験の研究倫理審査・実験環境の構築・基本的な分析手法の確立は済んでおり、現在実験方法の妥当性を確認するためのパイロット実験を実施している途中である。また、実験と並行して実在の公開プラットフォーム上でのユーザー行動を対象としたデータ分析についても、カーネギーメロン大学の研究者と連携して今年度中に実施予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)