Project/Area Number |
23KJ0890
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉山 将大 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ニュートリノ / 超新星背景ニュートリノ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、将来の大型水チェレンコフ検出器の為のタイミング同期システムの開発を行う。将来の水チェレンコフ検出器であるハイパーカミオカンデは多くの光センサを直径・高さ70mの水槽内壁に取り付けたものであり、内部で反応するニュートリノ起因の微弱な光を検出する。ニュートリノ事象をきちんと識別する為には、各光センサの時刻が揃っている必要があり、その為に同期システムが必要となる。これと同時に現行の検出器であるスーパーカミオカンデにて実際に取得されるニュートリノ事象を解析し、超新星背景ニュートリノを探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、現行の大型水チェレンコフ検出器のスーパーカミオカンデ検出器で取得されたデータを解析し、数 MeV 領域の反電子ニュートリノ流量を測定した。スーパーカミオカンデ検出器は、容量50ktの円筒形の大型水槽であり内壁に光センサを敷き詰め、ニュートリノ事象で発生するチェレンコフ光と呼ばれる光を検出する。 現在建設中の大型水チェレンコフ検出器であるハイパーカミオカンデ検出器におけるシステム設計、将来の解析に実際の検出器の経験は欠かせない。今回測定したエネルギー領域は水チェレンコフ検出器の反電子ニュートリノ測定の性能のエネルギー閾値を引き下げる領域であり、その新たなエネルギー領域における解析手法を開発し将来にも活かしていける手法である。トリガーシステムにおける、2020年に溶解されたガドリニウムの効果に着目しエネルギー閾値の引き下げを実現した。 解析手法の開発は日本物理学会などで発表でき、測定結果は私の博士論文にまとめ学位取得に至った。手法開発の一部は論文にまとめ投稿した。測定結果は今後論文にまとめて出版する予定である。 多数の光センサによるスーパーカミオカンデ検出器において各センサの同期は重要である。同期のずれが検出光子の情報からニュートリノ事象まで再構成する際の間違いを引き起こし得て、実際に稼動している検出器でその影響が現われた。実際に稼動している検出器のデータを基礎から解析する事で、開発途上の同期システムのノウハウに活かせる知見を得る事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際のシステム開発にはあまり注力できなかったが、ハイパーカミオカンデ実験の共同研究者の間で進めており開発は進展している。一方で、現行の検出器で取得されたデータの解析について、新たなエネルギー領域まで拡大する大きな進展が得られた。研究課題の中心であるシステム開発の進展と、ニュートリノ解析の進展を総合的に考えこの評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度からは得られた成果の整理に注力し、学会や論文で発表していく。 水チェレンコフ検出器だけではなく、粒子衝突実験の検出器における同期システムの開発へも応用範囲を広げていく。水チェレンコフ検出器の同期システム開発で得られたノウハウを衝突実験の同期システム開発にも活かして、同期システムの基礎を広げていく。
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