Project/Area Number |
23KJ0897
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村松 央教 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 金属クラスター / 合金クラスター / 鋳型合成法 / サブナノ粒子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、クラスターの構造と性質の関係を解明する目的を達成するために以下3つのことを行う。 (1)新たなクラスター合成法の開発、(2)開発したクラスター合成法で新規クラスターの合成、(3)合成したクラスターの性質解明を行うことを想定している。 具体的には高分子であるデンドリマーを利用した鋳型還元法によるクラスター合成法をベースに、高分子保護や配位子保護によるクラスターの安定化を組み合わせることで、神姫クラスターの合成を狙っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「クラスターの構造と性質の関係を解明する」ことを目的とし、「1原子内包型スズクラスターの液相合成」と「階層構造クラスターの自在合成」の2点について研究を行った。後者は今後論文で発表するため簡便に報告する。 1つ目として、スズ12原子+異種元素1原子のクラスターを液相精密合成した。我々研究グループが開発した樹状高分子(デンドリマー)を用いた鋳型合成法で、鉄1原子、スズ12原子をデンドリマーに精密集積させた。その後、還元と同時に高分子による保護をした。これは、これまで我々が開発したクラスター合成法を改良したものである。これにより大気中の酸素による酸化を防ぐだけでなく、クラスターの性質を測定時に扱いやすくした。この方法で合成したクラスターの物性を測定した。その結果、鉄1原子、スズ12原子のクラスターは他の鉄クラスターと比較して大きな磁気モーメントを示した。光吸収・発光特性を解明したところ、近赤外領域の発光が見られた。これらの性質は鉄とスズの混合による効果と考えられる。電子スピン共鳴のスペクトルと第一原理計算から求めた理論値との比較で推定した構造は鉄1原子がスズ12原子に内包された構造で、本研究の題目にある階層構造を有する異種金属配合クラスターであることが示された。このクラスターは気相でのみ合成されていたが、それを液相で大量に合成することで気相では明らかにできなかった物性が明らかとなった。この結果は将来的な磁気デバイスや発光体への応用展開が期待できる。 2つ目として、課題採択前に開発した金属クラスター合成法を用いた新たなクラスターの合成と物性解明を行った。今年度は合成法の適応範囲を検証した。詳細は今後論文化するので記載は簡易的なものにする。概要としては、異種元素配合が可能で、その適応範囲も広いことが示された。将来的には本方法で、より多くのクラスターが発見できると期待される。
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