Project/Area Number |
23KJ0899
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 正仁 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 亜鉛カルベノイド / 1,2-アゾール / 環拡大反応 / 骨格編集反応 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1,2-アザボリンの取り扱い困難という欠点を克服するべく、①ホウ素上の置換基の検討により室温・空気中で安定な1,2-アザボリン誘導体を合成する。そして、新規アザボリンを前駆体とする②クロスカップリング及び③不飽和結合の二重官能基化反応の開発を目指す。これらの新規反応により、従来法では不可能な官能基及び不斉点の導入に取り組む。実験化学に加え、計算化学を駆使した反応のデザインや反応機構の解析にも取り組む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で述べた、1,2-アザボリンの修飾法開発は達成できなかった。本計画で最も難易度が高いと推定した、中間体の調製を達成できなかった。目的物である中間体の収率が向上せず、その後の誘導体化を断念した。そこで、研究計画を転換した。申請者は、本研究計画の着想において重要な役割を果たした化合物、すなわち自身の先行研究で取り扱った1,2-アザボリンに再度着目した。申請者は1,2-アザボリンとヘテロ芳香族化合物の一つであるイソオキサゾールの縮環化合物に対し、亜鉛カルベノイドが環拡大反応を引き起こすことを見出した。亜鉛カルベノイドは従来炭素間二重結合をシクロプロパンへ変換する試薬として知られるが、申請者は、亜鉛カルベノイドが環状化合物の窒素-酸素結合へ挿入するという新しい形式の反応を見出した。同様の挿入反応として遊離カルベンや遷移金属カルベン錯体などの高反応性中間体を用いる環拡大反応がこれまで報告されてきたが、中間体の高い反応性による副反応や構造の制限また試薬が非常に高価であるという課題があった。これに対し、申請者が見出した条件は温和な条件であり、従来法では導入不可能なメチレン基(CH2)の導入を可能にするだけでなく、安価な亜鉛試薬で進行するという特徴がある。まず、亜鉛カルベノイドが分子内に窒素-ヘテロ原子結合を有する芳香族化合物、すなわち1,2-アゾールに対して挿入反応が進行することを明らかにし、この環拡大反応が環状オキシムや窒素-酸素結合を有する飽和ヘテロ環化合物にも適用可能であることを見出した。また、申請者は密度汎関数法(DFT)を用いた理論計算を習得し、反応のエネルギープロファイルを計算することで反応機構を明らかにした。
|