In vivo anti cancer natural product synthesis based on reaction with endogenous acrolein
Project/Area Number |
23KJ0944
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺島 一輝 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アクロレイン / アザ電子環状反応 / フェニルアジド / 生体内合成 / 現地構成 |
Outline of Research at the Start |
がん細胞特異的な代謝物であるアクロレインとの反応を起点として、分子内アザ電子環状反応により高い抗がん活性を持つ天然物の構造へと変換される前駆体化合物を合成し、これを用いてがんの治療を行うことを目的とする。 まず、前駆体化合物と、その構造類自体をライブラリー用として合成を行う。続いて、これらの前駆体化合物を実際にがん細胞へと投与することで、がん原地での天然物骨格合成を達成するとともに、構造と活性の比較を行う。最終的にはがん移植マウスに対して前駆体を投与することによる治療を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究計画に基づき、がん細胞特異的な代謝物であるアクロレインとの反応により、アミノ基が脱保護された後、分子内アザ電子環状反応により高い抗がん活性を持つ天然物の構造へとがん現地で一気に変換される前駆体化合物の合成に取り組んだ。 本年度では主に、実際の抗がん活性天然物である、フラボカルピンやジヒドロビンカルピンそのものの前駆体ではなく、反応に必要なコア骨格を抜き出した前駆体モデル化合物を用いて、このモデルから天然物の部分構造を一挙に合成することが可能であるかに関して検討を行った。 まず、合成した前駆体モデル化合物において、アミノ基を脱保護した場合に、分子内アザ電子環状反応を含む一連の反応により、天然物部分構造の自発的な形成が起こるかについて検討を行った。前駆体モデルに対し、水系溶媒中で温和な試薬を作用させ、アミノ基を脱保護させた。この脱保護体は数時間の内に消費され、代わりに反応時間と共に目的物となる天然物部分骨格が蓄積していく様子が確認された。加えて、この反応は生体内で利用する場合のような水に富んだ環境中かつ非常に低濃度といった条件下でも問題なく進行する結果が得られた。これにより細胞環境においても、前駆体化合物から抗がん活性天然物を形成できる期待が大きく高まった。 上記の結果を受けて研究計画を一部変更し、令和5年度の残りの目標である前駆体ライブラリーの作成ではなく、令和6年度の計画であるがん細胞現地での天然物骨格の合成を行うことで、最終目標であるがん治療の実現可能性について検討を行うこととした。前駆体モデル化合物をがん細胞へと投与して、96時間インキュベートした。結果として培地回収物から目的とする天然物骨格によるピークを検出することに成功した。この結果により、本研究の最終目標であるがん細胞内での天然物合成と、それによる治療は実現可能性が非常に高まったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に対して、細胞内での反応の実現性を基質の構造検討よりも優先しておこなったが、研究全体の進捗には大きな影響はなく、得られた結果も最終的な目標を強く支持するものであった。このため本研究は目標であるがん細胞現地での抗がん活性天然物の合成の達成に対して順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究により、がん細胞中で活性な天然物へと変換される前駆体化合物の合成経路を確立し、加えて、細胞内で天然物の部分構造を形成することに成功した。 今後は前駆体化合物への置換基導入等により、高い活性を持つ天然物を細胞内で合成し、効率的ながん治療を達成することを目標に研究を行っていくことを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)