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美容産業の男性従事者からみるジェンダー規範の変容・再生産メカニズム

Research Project

Project/Area Number 23KJ0978
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund
Section国内
Review Section Basic Section 80030:Gender studies-related
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

永山 理穂  一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywordsジェンダー / 美的労働 / 女性職
Outline of Research at the Start

本研究は、男性美容部員(化粧品企業の販売小売店で接客を担う従事者)に着目し、美容産業における労働実践と美のあり方に関するジェンダー規範が変容・再生産するメカニズムを、X社・Y社の企業比較分析を通して検討する。
本研究の研究課題は以下の2つである。まず、資料分析を行い、各社において労働実践と美のあり方に関する言説がいかに変遷してきたのかを明らかにする。つぎに、各社ごとに男性美容部員へのインタビュー調査を実施し、彼らの行為戦略を分析する。そのうえで、各美容部員の行為戦略の結果、ジェンダー規範がどのように変容・再生産されるのかを示す。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、男性美容部員(化粧品企業の販売小売店で接客を担う従事者)に着目し、労働実践と美のあり方に関するジェンダー規範が変容・再生産するメカニズムを、企業比較分析を通して検討する。研究課題は以下の2つである。第一に、資料分析を行い、各社において労働実践と美のあり方に関する言説がいかに変遷してきたのかを明らかにする。第二に、各社ごとに男性および女性美容部員へのインタビュー調査を実施し、その行為戦略を分析する。そのうえで、各美容部員の行為戦略の結果、ジェンダー規範がどのように変容・再生産されるのかを示す。美容産業の男性美容部員に焦点を当てる本研究は、従来の「女性職」「男性職」に男女が新たに相互流入する場合に生じる制度や組織文化の変容・再生産に関して、分析的一般化を可能とする知見を提供しうる。
2023年度は、研究計画を上回る進展があった。まず、本研究の軸であるインタビュー調査については、男性美容部員15名、女性美容部員16名への聞き取りを行った。さらに、2023年4月より都内百貨店にて美容部員としてのアルバイト勤務を行いながら、参与観察を実施してきた。以上の実地調査に加え、資料分析および先行研究の検討も並行して進めてきた。資料分析については、7月~8月に資生堂企業資料館にて美容部員に関する記事を収集し、10月より主要業界誌『週刊粧業』の言説分析に着手している。先行研究については、関連文献の整理および批判的検討を行い、博論の序章に相当する理論パートを執筆した。その内容を2024年2月に学内審査会にて報告し、「学位論文執筆の準備が完了している」として合格の判定を得た。以上の研究実績の主な成果として、共著での英語論文が公刊された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

インタビュー調査および参与観察の進行は順調で、その主たる成果として、Japanese Journal of Sociologyにて英語論文(共著、筆頭著者)が掲載された。また、国際ジェンダー学会および日本社会学会にて学会報告を行い、社会学分野における最大規模の国際学会であるInternational Sociological AssociationではラウンドテーブルGender and Workで報告し、海外の研究者と労働のジェンダー化に関する意見交換を行った。学会等での研究者との交流を通して、研究を進展させるためのディスカッションを行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

2024年度の前半では、引き続きインタビュー調査および参与観察を実施し、その成果を学会報告・投稿論文化する。現時点で2024年6月に日本女性学会、8月にAmerica Sociological Associationでの報告が内定している。これまでの調査および先行研究の検討を通して、労働社会学の概念である「美的労働(=雇用者の組織的な統制のもとで、ブランドの個性に合わせた容姿や立ち振る舞い、言葉遣いが求められる労働)」を分析の軸とすることで、ジェンダー規範の変容・再生産メカニズムをより詳細に明らかにできると考えた。そのため、調査データの分析と並行し、「美的労働」概念の理論的検討を併せて行いたい。
調査は順調に進捗しているため、年度の後半では米国でのフィールド調査を実施する予定である。化粧品市場における米国と日本のシェアは世界トップクラスであり、化粧品の需要が高く、サービスが高度に発展しているという点において両国は類似している。他方で、男性美容部員に関する状況は大きく異なっている。2022年の米国の美容部員のうち、男性の占める割合は約7%であり、これは世界で類を見ない割合の高さである。一方で日本における男性美容部員が占める割合は約0.5%であり、近隣のアジア諸国と比較しても低い水準である。このように男性美容部員をめぐる状況が対照的な両国を比較することによって、ジェンダー規範が変容・再生産するメカニズムを検討することが可能になると考える。2024年度の調査を通して、本研究を日米比較研究へと拓き、将来的には国際比較研究へと繋げていくための足がかりを築きたい。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Careers in “woman‐friendly” occupations: Investigating the role of beauty consultant in the era of neoliberalism2024

    • Author(s)
      Nagayama Riho、Sato Fumika
    • Journal Title

      Japanese Journal of Sociology

      Volume: 33(1) Issue: 1 Pages: 27-41

    • DOI

      10.1111/ijjs.12161

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] An Analysis of the Interpretation of Their Work By Male Salespeople Working for a Japanese Cosmetics Company: Are They Key Players in Changing Gender Norms?2023

    • Author(s)
      Nagayama Riho
    • Organizer
      XX ISA World Congress of Sociology
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 化粧品企業の男性美容部員とジェンダー規範:キャリア・美容実践に関する解釈に 着目して2023

    • Author(s)
      永山理穂
    • Organizer
      国際ジェンダー学会2023年大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 美容産業従事者は『美のシステム』といかにかかわるのか:美白・ジェンダーレ スメイクに対する解釈に着目して2023

    • Author(s)
      永山理穂
    • Organizer
      第96回日本社会学会大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-26   Modified: 2024-12-25  

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