Project/Area Number |
23KJ1033
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
キョウ 麟祥 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ELOVL6 / 脂肪酸代謝 |
Outline of Research at the Start |
ELVOL6の重要な機能はC16脂肪酸からC18脂肪酸への伸長です。TCGAを解析したところ、全タイプ乳がん症例においてELOVL6高発現群では予後不良であると判明しました。ELOVL6ノックダウンによりSTING経路の下流であるCXCL10と11の発現が増加することをヒントに、ELOVL6はSTING経路活性化することで抗腫瘍免疫を誘導すると推測しました。そこで、本研究では、ELOVL6阻害による脂質組成の変化がどのようにしてCXCL10や11を発現誘導し、抗腫瘍効果を示すのか、シンジェニックモデルマウスを作成して明らかにし、ELOVL6阻害療法の基盤を築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂肪酸伸長酵素ELOVL6は、がん抑制遺伝子RBが発現調節する遺伝子である。RBの不活性化は悪性進展過程において高頻度に起こることに加えて、トリプルネガティブ乳がんにおいてRBが不活性化することも知られている。これまでに、ELOVL6高発現する乳がん患者の予後が悪いことを見出しており、ELOVL6が治療標的になりうると考えている。本研究では、ELOVL6阻害のCell-intrinsic・extrinsic作用両方に着目し、代謝と微小環境の観点から抗腫瘍作用を理解することを試みた。本年度はELOVL6阻害のCell-intrinsic作用を理解するために、in vitroでの実験を遂行した。 ELOVL6阻害は、トリプルネガティブ乳がんのみならず、全サブタイプの乳がん細胞株において、細胞増殖を抑制した。また、ELOVL6阻害はAKTリン酸化レベルを低下させるが、セラミド合成酵素(SPTLC1)を追加で阻害することによりAKTリン酸化レベルがレスキューされた。リピートミクスの結果により、ELOVL6欠損細胞には、セラミドが蓄積することを観察している。セラミドはC16パルミチン酸からSPTLC1により合成されることから、セラミド蓄積がAKTリン酸化レベル低下の原因であることを示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ELOVL6の上流遺伝子であるRB1が乳腺上皮細胞に置いて欠落するときに、細胞の中でがん化に抵抗する様々なイベントが起こることとその機構を詳細に解析して、第一著者として論文を刊行した。つづけてELOVL6の乳がん治療標的としてのPOCを蓄積するとともにシグナル伝達、脂質代謝の面からメカニズムを探索して、今年はさらなる進歩に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
ELOVL6抑制と同時にセラミドの代謝酵素であるUGCGとSPHK2を阻害した場合にTNBC細胞株にアポトーシスを誘導するかどうかを検討する予定がある。また、H-RASやN-RASは成熟過程においてパルミトイル化されることが知られている。次年度は、RAS活性に着目しELOVL6の細胞増殖抑制メカニズムにアプローチする。これまではELOVL6タンパクの検出ができなかったが、条件検討を重ね検出可能になった。そこで、次年度はELOVL6乳がんマウス細胞株においてELOVL6をノックアウトし、ELOVL6とがん微小環境の変化を解析する予定である。一方、RBの不活性化は脂肪酸の組成に影響を与えることが報告されている。次年度もELOVL6欠損とRBネガティブの細胞株において細胞増殖抑制や脂肪酸リモデリングのメカニズムを探索予定である。 ELOVL6阻害によるCell-extrinsicを解明するために、シンジェニック(同種)モデルマウスにELOVL6をノックアウトしたTNBC細胞を移植し、腫瘍内に存在する免疫細胞をシングルセル解析することによって、腫瘍内微小環境の変化を明らかにする。
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