Project/Area Number |
23KJ1121
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 智浩 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 重力波 / DECIGO / 量子ロッキング / 平方完成 / ホモダイン検波 |
Outline of Research at the Start |
DECIGOは宇宙で重力波を検出することを目標とした検出器の計画である。重力波は時空のさざなみが伝播するもので、質量を持つ天体の運動や宇宙初期の現象など、様々なものから発生すると考えられている。DECIGOの目標は宇宙初期からの重力波で、これを観測できれば宇宙がどのように誕生したかを紐解くことができる。 しかし検出器には様々な雑音が考えられ、その中でも我々は重力波検出に使うレーザー光の量子雑音を対象としている。宇宙という地上とは異なる条件での量子雑音の低減、また地上の検出器より高いレベルでの低減を目標とすることから、新たな技術が必要である。本研究は、その原理検証のための実験研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宇宙誕生時に起きたとされるインフレーションで生成された原始重力波を検出することが最大の目標である重力波検出器DECIGOにおいて、感度を向上する理論として提案された技術、光ばね量子ロッキングを原理検証することである。量子ロッキングは、重力波を検出するために使われる光共振器に補助共振器を付属させる技術である。そこに光ばね、ホモダイン検波、平方完成という技術を合わせることで、全ての周波数で感度を最適化しつつ、特定の周波数周りで広帯域に感度を向上できる。 2023年度は、段階的に進めている原理検証の2段階目、ホモダイン検波と平方完成を量子ロッキングに使うことで、局所的に感度がよくなることを示す実験の準備を進めた。原理検証するための周波数の選定、共振器の懸架系の設計をし、100 Hz付近で原理検証実験ができることを確かめた。またFPGAを使ったデジタル制御システムの構築をし、これまで使用していた共振器を共振状態に保つことができることを確かめた。これにより、この制御システムを原理検証にも使えることを確かめた。 理論面では平方完成を量子ロッキングに使う有用性についてさらに追求する研究を行った。これまではレーザー光がもつ量子雑音のみに着目していたが、それ以外の雑音に対しても使うことができること、平方完成で得られる最適な感度が制御ゲインだけでは実現できないことを示した。その結果を論文として投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論面は本研究をさらに深める論文を投稿するなど順調である。一方実験面は、デジタル制御システムの構築に想定以上の時間を要した。また懸架系の設計に時間がかかったため、製作に遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
懸架系を製作し、デジタル制御システムを使って量子ロッキングの光学セットアップでの共振器を共振状態に保つことができるか調べる。またその時の環境雑音を測定し、対策の必要があるか吟味する。現時点で考えられる主要な雑音は地面振動雑音とレーザーの周波数雑音である。特に後者は非常に硬い共振器を別途用意し、レーザー源にフィードバックして低減する。
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