Coexisting with LGBT+ Muslims in Japan: Cultural Anthropology of Faith, Sexual Diversity, Fellowship in Muslim, and cross-cultural understanding
Project/Area Number |
23KJ1137
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅津 綾子 名古屋大学, 人文学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本人LGBT+ムスリム / 共生 / マイノリティ / インターセクショナリティ / 実証研究 / バイセクシュアル / 異文化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、日本のイスラーム教徒(ムスリム)の性的少数者(LGBT+)が、自身の性的アイデンティティと信仰をどう両立させているのか、また一般のムスリムはかれらをどう捉え、接しているのか、実証的に明らかにする。 イスラームでは同性婚や性自認に即した服装が公に認められておらず、海外ではLGBT+ムスリムへの激しい差別が問題となっている。日本でもムスリム人口が増加しているが、LGBT+ムスリムに関する研究はほぼない。かれらは日本で、宗教、性、異文化の面で境界に生き、ときに生きづらさを抱えている。 本研究を通して、日本が、イスラームと多様な性、そして異文化が共生できる社会になるように寄与したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本社会における多様なセクシュアリティと宗教の共生の可能性を問うものである。その一環として、日本のLGBT+ムスリム(当事者)が、自身の性的アイデンティティと信仰をどう両立させているのか。周囲のムスリムはかれらをどう捉えているのか。こうした問いに答えるべく、ジェンダー・セクシュアリティ、イスラーム、異文化の影響といういくつもの「境界」に生きる当事者の実態を実証的に明らかにすることが本研究の目的である。 R5年度の具体的な課題は以下の2点である。①当事者がイスラームと自身のセクシュアリティをどのように理解・実践し、また何に課題を感じ、何を求めているのか。②ムスリム同胞や家族等周囲の人間が、当事者をどのように捉え、どう関わっているのか。研究実施計画に沿いインタビュー調査と文献調査を行った結果、①については、前年度より4名多い計8名の当事者へのインタビューを行うことができた。また文献調査により、特に報告者が接触した当事者に多い、両性愛者に特有の偏見・差別などの社会的課題を明確にすることができた。 ②についても、日本人ムスリムへのインタビューほか、特に誤解・偏見・差別的見解が際立つと聞かれる外国籍ムスリムへのインタビューも遂行中である。現在のところ、イスラーム法学上では同性婚は禁じられていても、市井のムスリムの当事者への対応は、当事者を精神的に傷つけるものから、同性婚に賛同するものまで様々であることが明らかになりつつある。これらの成果の一部は、①はR6年度、②はR5年度の日本文化人類学会学術大会において公表した(あるいは予定である)(いずれも査読付)。 以上よりR5年度の本研究の意義・重要性は、日本人LGBT+ムスリムの実態把握が進展した点、および多様なセクシュアリティとイスラームの共生に関して、日本社会に特徴的な課題と解決への糸口が見えつつある点ということがいえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初は、インタビュー調査に加えて、日本のムスリム・コミュニティを対象としたLGBT+に関する意識調査をWebアンケートの形式で行い、差別・偏見の有無の実態を数値的に明らかにすることを予定していた。しかしインタビュー調査を進める中で、当該テーマにはこうした量的調査は適さないことが判明したため、引き続きインタビュー調査によりデータを収集している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画どおりに進める予定である。日本のLGBT+ムスリム当事者、外国籍ムスリム、日本人ムスリム改宗者そして生まれながらの日本人ムスリムへの聞き取りを続けることで、さらなる実態把握とを進める。それと共に、これまでの成果を口頭発表だけでなく、論文や書籍の形で公表していく。また、当事者同士の交流の場を設けることで社会貢献にも寄与する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)