Realization of Quantitatively Evaluation Criteria for Atypia based on Morphological Features of Cellular Tissue towards the Construction of Morphology in Malignant Lymphoma
Project/Area Number |
23KJ1141
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61010:Perceptual information processing-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 諒一 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 計算病理学 / 弱教師あり学習 / 説明可能性 / 反事実画像 / 拡散モデル |
Outline of Research at the Start |
悪性リンパ腫は血液のがんであり,病理診断により具体的な病名(サブタイプ)を特定することで初めて治療方針が立てられる.サブタイプ同定は,細胞組織の正常状態からの逸脱度を評価することで行われるが,この評価において明瞭な定量的基準は現在までに存在せず,病理医の経験に依るところが非常に大きい.そこで本研究では,細胞組織の定量評価基準実現を目指す.これは診断における再現性や説明性の向上のみならず,悪性リンパ腫の病理学(基礎医学)において新たな知見を獲得することにも繋がる研究である.
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性リンパ腫の異型性の定量評価基準実現に向けて,濾胞性リンパ腫の悪性度を定量基準により評価するための枠組みを新たに提案した.世界保健機構はセントロブラストと呼ばれる特定の細胞の個数に基づいて悪性度を定義していたが,この基準に沿った病理診断の実施は非現実的であり,直感と経験による定性的な悪性度評価が現在も行われている.定性的な評価による再現性と説明性の弱さを改善するために,共同研究者である病理医との打ち合わせに基づき,細胞の構成比率に基づく新たな悪性度評価基準の構築を実施した. 基準構築のために,病理画像中に存在する個々の細胞核の種別を分類する種類識別器の構築が必要となった.しかし,種類識別器の構築に際しては,専門医にとっても細胞の種類を示すラベリングが容易ではないことが分かった.そこで,病理医がラベリングする際に,判断に迷った細胞については最終的に決定されたクラスと最終的に棄却されたクラスを表現する「曖昧ラベル」の枠組みを新しく考案した.曖昧ラベルから分類器を学習するために,弱教師あり学習の手法である補ラベル学習を導入した上で,事後確率の不等式罰則の追加を提案した.これらの枠組みの下で種類識別器の学習を行うことで,識別性能が向上することが確認された.画像中の細胞の種類を同定することで,組織切片中の細胞の分布を可視化するとともに,構成比率を求めることを可能にした.求めた構成比率に基づいて,濾胞性リンパ腫の悪性度を評価する新たな定量基準を構築し,世界保健機構が定義する従来の基準との比較を行った. さらに,因果推論によりニューラルネットワークの説明可能性を改善するアプローチでは,条件付きGANによる既存法では病理学的に存在しえない反事実病理画像を生成してしまう課題が明らかとなった.この課題に対しては,GANに代わり拡散モデルを採用することで従来法よりも高品質な画像生成を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時の計画通り,拡散モデルの大規模な実験により高精細な反事実病理画像の生成を実現した.ただし,これは主観的な評価に留まっており,実画像の分布との差異等を検証しつつ,反事実の条件を満たしていることを確認する必要があると考えられる. また,当初の計画では明示されていなかったが,研究の進展により病理画像中の個々の細胞の種別を同定することで細胞の構成比率の評価を可能にし,この指標に基づいて濾胞性リンパ腫の悪性度を定量的な基準で評価することを可能にした.こちらの課題においても,研究実績に挙げた通り新たな枠組みの提案を行い,細胞の種類識別器の構築を実現している.
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Strategy for Future Research Activity |
反事実病理画像を活用したニューラルネットワークの説明可能性改善の研究は引き続き推し進める予定である.具体的な方策としては,(1)反事実病理画像の品質の定量評価及びその信頼性評価と,(2)反事実画像に基づく悪性リンパ腫診断に有用かつ説明可能な特徴量の同定である. (2)の事項まで実施することで,悪性リンパ腫診断において長きにわたって積み上げられてきた経験を人類の知識として集約することが可能になるが,そのための一歩として,現在まで実現している反事実病理画像生成技法の評価が必要になると考えている.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)