Project/Area Number |
23KJ1142
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
筒井 啓太 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 人工細胞 / リポソーム / バイオセンサー / 情報伝達 / シグナル伝達 |
Outline of Research at the Start |
細胞は、細胞外部の極微量の分子を検知し、その情報を細胞内部に伝達する。さらに、伝達された情報は細胞内で増幅され、分化や分裂など多くの細胞応答の引き金となる。本研究では、このような天然の細胞に見られる情報伝達システムを模倣することで、極微量の分子を検知し、その情報を数千倍・数万倍以上の蛍光シグナルに変換可能な人工細胞を構築する。さらに、この人工細胞を疾患バイオマーカーの検知に展開することで、人工細胞を用いた新たなバイオセンサーを創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞の情報伝達における「標的分子の検知」「膜を介した情報伝達」「シグナル増幅」の3つの機能を模倣した人工細胞システムおよびその設計指針の確立を目指す。さらに、開発した人工細胞システムを極微量バイオマーカーの検知へと展開し、高感度人工細胞センサーの創出を行う。 上述した人工細胞システムの構築に向け、本年度は「標的分子の検知」と「膜を介した情報伝達」を実現する合成分子の開発に取り組んだ。申請者はこれまでに、リポソーム外溶液に添加するだけで、リポソーム内タンパク質を膜リクルート可能な合成分子を見出している。本年度はこの合成分子をさらに改変することで、標的バイオマーカー酵素に応答してタンパク質の膜リクルートを誘導する合成分子を開発した。この合成分子をリポソーム膜に挿入すると、ある特定の疾患バイオマーカーの存在下でのみリポソーム内に封入したタンパク質の膜リクルートを誘導できることを実証した。さらに、分子構造の最適化を行い、標的バイオマーカー酵素の検出効率を向上させることにも成功した。以上の結果は、「標的分子の検知」と「膜を介した情報伝達」を実現する合成分子の基本設計を確立できたことを示している。今後は、合成分子における標的認識部位をさらに改変することで、検知可能な疾患バイオマーカー酵素のバリエーションを拡充する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初計画していた通り、標的酵素に応答してタンパク質を膜リクルート可能な合成分子を開発し、「標的分子の検知」と「膜を介した情報伝達」の機能を実装した人工細胞システムを創出することができた。以上の状況から、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果をもとに、「シグナル増幅」を実現可能な人工細胞システムを創製する予定である。さらに、本年度開発した「標的分子の検知」と「膜を介した情報伝達」を実現する合成分子をさらに改変し、検知可能な疾患バイオマーカー酵素の拡充を図る。
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