Establishment of a turbidite seismometer to estimate seismic intensity distribution using turbidity current modeling and marine cores
Project/Area Number |
23KJ1152
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 諒 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 古地震 / 地震性タービダイト / 地震動距離減衰式 / S-net / 奄美大島 / 新青丸 |
Outline of Research at the Start |
巨大地震は数百年程度と発生頻度が低いために、地質記録を用いて古地震記録を数千年に拡張する必要がある。特に、地震動によって発生する混濁流は堆積物として残されることから、海底下のタービダイト層分布は古地震規模を復元する手掛かりとなる。本研究では観測記録のある歴史地震を対象に、地震性タービダイトが“天然の地震計”となりえるか、数値計算および海底コアを用いた検証を行う。実施内容としては、複数コアにおける歴史地震タービダイト層を対比し、地震動による斜面崩壊域の推定および、これを発生源とした混濁流の数値計算を実施する。最終的には震源断層モデルをタービダイト分布から逆解析する深層学習モデルの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
海底コアを用いた古地震規模推定手法を確立するため,本年度は海底コア取得のための研究航海調査(共同利用研究調査船新青丸KS-24-4次航海),取得済みの海底コアの分析,斜面安定解析に必要な地震動距離減衰式の開発に取り組んだ. 主席研究者を務めた研究航海では奄美大島周辺海域において,歴史地震によるタービダイト層を対象とした採泥を実施し,計8つのコア取得に成功した.航海中にはマルチビームやサブボトムプロファイラー等の音波探査を用いた海底地形や浅部底質情報を取得した.今後,取得したコアや物理データの解析を進め,歴史地震によるタービダイト層の分布を把握する.以前に取得された海底コア(奄美大島周辺海域)については14C年代測定や鉱物組成分析を用いたタービダイト起源の推定を行い,現在国際誌への投稿を準備中である. タービダイトの分布を計算するモデリングとしては,地震動に応じた斜面の安定性解析を進めている.斜面の安定性の主たる要因である地震加速度は非常に短周期であるために数値モデリングが困難である.そこで,ある地震による海底下の地震加速度を推定するために,S-net観測網によって取得された加速度データを用いて,回帰分析を試みた.地震動は主に距離に応じて減衰していくため,陸上での記録から経験式を用いて緊急地震速報などに用いられているが,海域に特化したものは研究例が乏しい.そこで,海域と陸上での加速度減衰が異なることを明らかにし,その特性を考慮した経験式を求めた.これによって,地震規模や震源深さ,地震タイプからおおよその地震動分布を推定することが可能となった.本成果は国際誌へ投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は大きく分けて、海底コアの解析による歴史地震起源のタービダイト層分布の把握、斜面安定性解析とそれに必要な物性・地形・地震加速度の取得、混濁流のモデリング、深層学習による逆解析となる。 本年度はこの内基礎となる海底コアや音響探査データの取得を共同利用新青丸研究航海によって実施した。コアの解析については航海が本年度末の3月であったことや、同位体分析に要する時間が長いため時間が必要であるが、着実にデータを蓄積している。XRDを用いた古水深の推定手法は簡便かつ適用範囲が広いことから、国際誌にて来年度中に発表する予定である。 斜面安定性解析についても2次元での計算スキームの実装済みであり、実際のデータを航海等で取得したため、モデルの改良を進めている。最も重要な要素である地震による加速度については2016年からS-netによって観測された地震動データを回帰することによって海域に特化した予測式を開発した。本研究は斜面の安定性解析ならず、地震動即時予測や海域構造物の安全性評価に資するため、国際誌へ投稿中である。 このように海底コアの解析・斜面安定性解析について大きな進捗があり、混濁流モデリングや深層学習についてもすでにテスト運用が進められていることから、初年度としての進捗状況はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように本研究の枠組みとして、海底コアの取得・解析を行ったが、新規のコア試料が得られていることから引き続き、歴史地震との対比を目的とした年代測定およびタービダイト認定を継続する。地震動予測式開発を完了したため、これによって得られる地震動分布を用いて斜面の安定性を2次元平面で評価するモデルへの適応を試みる。地震動データに加え音響探査データを解析することで得られる物性・地形を取得することで,地震動による混濁流発生場所の推定を行う予定である. 混濁流のモデリングについては研究室において改良が進められているモデルを使用して、既知の現世イベントを用いた検証を行っている。この検証を進めることで歴史地震による混濁流についても計算を行い、タービダイト層分布が研究航海で得られたコアや音響データと一致するか検証する。これが確かめられた後、ランダムな初期条件によって反復計算し、そのデータセットを用いて深層学習による逆解析を試みる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)