Project/Area Number |
23KJ1177
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲田 浩也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 公営住宅 / 機械学習 / 主成分分析 / クラスタリング / グラフ探索アルゴリズム |
Outline of Research at the Start |
公営住宅再編計画の効率的かつ客観的な策定手法を確立することを目的としている。現在の手法では経験則に頼ることが多く、将来の人口減少を見据え客観的かつ合理的な意思決定プロセスが必要である背景を踏まえ、機械学習や組み合わせアルゴリズムを活用し、再編対象の公営住宅の組み合わせを最適化手法で検討することで、公営住宅の持続可能な利用に貢献することを目指す。提案手法は、計画に必要な人的資源を大幅に削減し、利害関係者間での合意形成を円滑化することができる。大規模な住宅供給の再編だけでなく、応急仮設住宅の縮約、公営住宅における福祉医療機能の合理化など、住宅ストックの総合的な活用に広く応用できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は二つのテーマを中心に研究を進めた。 ■ 研究A,多次元の主成分分析とクラスター数を限定しないクラスタリングによる再編の優先度の推定 これまで,二次元の主成分分析とk-means法を用いたクラスター分析により,公営住宅の再編優先度を推定する手法を開発した.この手法は視覚的に解釈が容易であるため,自治体内での使用も目指せる.一方,さらなる信頼性の向上を目指し,簡便性に拘ること無く,信頼性の高い推定方法を追求する.特別研究員採用後は,神戸市を対象としてさらにより幅広いデータを扱えるよう,負荷量が1以上の因子を主成分とし次元数を制限しない主成分分析と,クラスター数を仮定しない非階層型クラスター分析であるやVBGMM Clusteringを行う.これにより幅広いデータを扱い,かつ自治体ごとに異なる特徴があるデータセットから意味のある知見を引き出すことが可能であることを明らかにした. ■ 研究B グラフ探索アルゴリズムを用いた大規模な探索による転居可能な廃止住棟の組合せの抽出 申請者はこれまでの研究により,再編候補となる住棟の全ての組み合わせにおいて,必要な建替えコスト・削減可能な住棟数及び戸数で自動的に順位付けする総当たりのアルゴリズムを開発した. 特別研究員採用後は,神戸市の2つの公営住宅と、日向市の3つの公営住宅を対象に住棟同士のつながりを,節点を辺でつないだネットワークである無向グラフに見立て,グラフ探索アルゴリズムの一種である再帰関数を用いた深さ優先探索を行った.これにより,住棟同士の隣接関係や接道の有無を条件に加えることができ,より現実的な組合せを導出できるようになると同時に,総当たりアルゴリズムよりも計算量を大幅に削減した探索を行えることを明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでの研究進捗はおおむね順調であり、その理由は以下の通りである。 神戸市、日向市、大牟田市との協力が得られたことにより、多種多様なデータを取得し、それぞれの自治体特有の条件を反映した分析が可能となった。これにより、実際の政策に即した提案が可能になった。そして、主成分分析を次元数制限なく行うことで、より精緻なデータの特徴抽出を実現した。また、クラスター数を仮定しないVBGMM Clusteringを用いることで、データの本質的な構造を明らかにし、より信頼性の高い再編優先度の推定が行えるようになった。さらにグラフ探索アルゴリズムを用いた深さ優先探索により、計算量を大幅に削減しつつ、転居可能な廃止住棟の組合せを効率良く抽出した。これにより、総当たり法に比べて速度と効率が向上し、実用性が高まった。これらの進捗により、公営住宅の持続可能な利用と効率的な再編計画策定に向けて、実証的なアプローチが確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究進捗を踏まえ、今後は以下の方策を推進する。 研究成果をより広く普及させるため、国内外の学会やセミナーに積極的に参加する。特に国際学会でのプレゼンテーションを通じて、世界各国の研究者や専門家との意見交換を行い、研究の国際的な視野を広げることを目指す。また、並行して学術誌への論文投稿も積極的に行う。
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