Project/Area Number |
23KJ1197
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 隆紘 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 行政学 / 人事行政 / 民主的統制 |
Outline of Research at the Start |
政治家は政策立案・実施の多くを官僚制に委ね、官僚制が政治家の選好に反する行動を取らぬよう監視をしている。このとき政治家は漫然と監視を行うのではなく、自らの関心のある政策 領域を所管する部署を特に監視するはずである。こうした政治家による監視の偏りへの応答として官僚制は、政治家が関心を持つ政策を扱う部署に優秀な人材を集中的に配置するといった対応をすると考えられる。 本研究では日本の中央省庁を題材として、議会による監視を測定し、行政組織における人員の配置を分析する。これによって、政治家による官僚制への権限委譲から行政組織内部における事務配分に至る一貫した過程の中に人事行政を位置づけることを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究計画の通り、(1)先行研究の整理と予備分析と(2)データの集成を進めた。いずれについても、おおむね順調な進展を見せている。 まず、(1)先行研究の整理と予備分析については、人事行政と政官関係を中心に文献を検討した。それを踏まえて、理論の構築に向けての探索的な部分も含む形で特許庁の特許審査官を題材に分析を進めた。行政組織における民主的統制の及ぶ領域とそうではない領域の比較が本研究計画の中心にあるが、そうしたときに特許庁というやや特殊な行政組織は民主的統制の程度としては小さい。それ故に、民主的統制の受ける影響が少ない状況での行政組織のあり方を検討するのに適した題材である。この予備分析を通じて、行政組織における配置転換のパターンを捉えることができ、これを土台に今後の分析を進める予定である。なお、特許審査過程の分析については成果の一部をまとめ、日本行政学会2023年度研究会でポスター報告を行った。 (2)データの集成については、刊行資料の収集を進めるとともに、行政文書については公文書開示請求等によって収集を進めている。既に一部の公文書については開示を受けて整理を進めている他、残る部分に関しても次年度前半に開示等がなされる見込みが立っている。また、収集したデータを整形する方法に関しても予備分析等を通して検討が進んでいる。 また、自身の修士論文を元にした論文は、先行研究の整理の見直しや分析の修正・追加などを行った上で投稿され、査読プロセスを経て2023年12月に『公共政策研究』(23号)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の整理から予備分析を行うところまで進んだ他、データの集成はすべての資料の収集こそ完了していないものの、残る資料についても目処が立っている。また、成果の一部についても、学会報告や査読論文の形で発表しておりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度にあたるため、予備分析の結果を踏まえて理論を構築した上で、集成したデータを用いて分析を進める。成果は博士論文の形でまとめ、一部については学術誌への投稿に向けて準備を進める。
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