Project/Area Number |
23KJ1294
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
BIAN ZHIYUN 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピン / スピントロニクス / キラリティ(キラル) / キラリティ誘起スピン選択性 / 遷移金属ダイカルコゲナイド |
Outline of Research at the Start |
本研究では、キラル配位子を層間に挿入した層状遷移金属ダイカルコゲナイド(Transition Metal Dichalcogenides (TMDs))を創製し、ここに流れる電流に対し、多段階のCISS効果、すなわち"多重 CISS効果"を与え、100%に迫るスピン偏極率は理想的なスピン偏極材料として有望視されているハーフメタル材料においても実現されておらず、多重 CISS 効果が実現された場合の波及効果は学術的興味のみに留まらず、スピントロニクス材料基盤の形成およびスピン電気化学への応用の電極材料の創製という観点からもそのインパクトは大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、スピントロニクスやスピン依存電気化学への応用の観点から、効率的にスピン偏極電流を生成する手法が待望されている。一般的には、レアメタルを含む強磁性体や、スピン軌道相互用の大きな重元素化合物に対して強力な外部磁場を印加することでスピン偏極電流を生成するのが一般的な戦略であるが、室温において100%に迫るスピン偏極率を実現する材料は存在しなかった。一方で近年、キラリティ誘起スピン選択性という現象が報告され、キラル分子に電流を流すことで重元素化合物や外部磁場を用いることなく、スピン偏極率の高いスピン偏極電流を生成する手法が見出されたが、有機分子の低い電気伝導性から電極材料としての応用は困難であった。 層状化合物である遷移金属ダイカルコゲナイドTiS2の層間にキラル分子のカチオンを電気化学的に挿入することで、キラル構造を有する複合金属材料「キラルTiS2」を合成することに成功した。キラルTiS2に電流を流すことで、スピン偏極率が~95%のスピン偏極電流を生成可能であることを明らかにした。また、スピン偏極方向は挿入分子のキラリティに応じて反転することも明らかにした。実際に、キラルTiS2をスピン偏極源となる電極材料として用いることで、巨大磁気抵抗効果を示すトンネル磁気抵抗素子が作製可能であること、水電解セルの電極として用いることで酸素発生反応を効率化することが可能であることを実証した。
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