Project/Area Number |
23KJ1327
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永里 赳義 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 深層学習 / 地下水 / グラフ畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的はプロセス型モデルである数値モデルとデータ駆動型モデルである深層学習モデルを効率的に結合し,深層学習ハイブリッド地下水モデルを構築することである.深層学習ハイブリッド地下水モデルの開発により,数値地下水モデルと比較して低い計算コストで時空間的な解像度の高い地下水流動の解析を実現する.また,ベイズ深層学習を用いることにより,深層学習モデルの不確実性の定量化を試みる.本研究により,地下水盆レベルかつ複数の将来シナリオ下における詳細な地下水流動の解析を可能とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は深層学習ハイブリッド地下水モデルを構築し,数値モデルの高解像度化,計算コストの低減,深層学習モデルの予報の不確実性の定量化を実現することである.本年度では数値シミュレーションの高解像度化,および計算コスト低減を目的とした深層学習モデルの実装・有効性の検証を行った. 本研究では低解像度数値シミュレーションの結果,時刻,透水係数,境界条件を入力データとし,高解像度数値シミュレーション結果を対象データとした教師あり深層学習を実装した.また,深層学習手法について,数値解析で扱うメッシュ構造データの学習・推論に用いられているグラフ畳み込みニューラルネットワークを実装した.当初の計画では実データを用いて深層学習モデルの実装・評価を行う予定であったが,深層学習モデルの有効性の詳細な評価のため,仮想の被圧帯水層を対象に教師データセットの作成,および深層学習モデルの実装・評価を行った.本検証から,十分な量の教師データを用いて学習した本深層学習モデルは高い精度で対象データを推定できることが示された.加えて,学習データに含まれていない涵養量・揚水量が入力に与えられた場合においても本深層学習モデルは良好な推定精度を示した.以上より,低解像度シミュレーションの高解像度化における深層学習モデルの有効性が示された.一方で透水係数の空間分布のランダム性が高い場合,推定精度が低下する課題がある.今後,深層学習を用いた複雑な境界条件下での数値シミュレーションの高解像度化における推定精度向上を目的としたモデルのさらなる改良が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は低解像度数値シミュレーション結果の高解像度化を対象に深層学習モデルの実装を行った.深層学習手法について,当初は畳み込みニューラルネットワークを実装する予定であったが,数値シミュレーションに用いられるような非矩形,メッシュ構造データの学習に適しているグラフ畳み込みニューラルネットワークを実装した.本モデルの実装・有効性の検証について,仮想の被圧帯水層における地下水の揚水・涵養を考慮した平面2次元非定常数値シミュレーション結果の高解像度化を対象に深層学習モデルの実装を行った.以上の検証から,低解像度数値シミュレーションの高解像度化における本深層学習モデルの有効性が示された.これらの研究内容は論文に取りまとめ論文誌に投稿する予定である.以上の通り,当初の研究計画からいくつか変更点はあるが,本年度では本課題の研究目的のうち,数値モデルの高解像度化,計算コストの低減において進展があった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画について,被圧帯水層だけでなく不圧帯水層を対象とした地下水流動解析における深層学習モデルの有効性の評価を行うとともに深層学習モデルの不確実性の定量化を行う.ここで,本年度で作成した深層学習モデルは良好な推定精度を示している.しかしながら,模擬地盤における透水係数の空間分布のランダム性が高い場合,推定精度が低下する課題がある.また,深層学習モデルの学習には大量の教師データが必要である.これらの問題点に対する方策について,本年度で実装した深層学習モデルをPhysics-Informed Neural Networks (PINNs) へ拡張することが挙げられる.本深層学習モデルをPINNsに拡張することで,教師データ量の削減だけでなく,サンプル外予測における推定精度の向上が期待される.また,数値モデルと深層学習モデルの結合の方法も工夫することで推定精度が改善される可能性がある.したがって,数値モデルとの結合方法も含めたネットワーク構造の改良および最適化にも取り組む予定である.
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