Project/Area Number |
23KJ1330
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 聖太 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 無線通信 / 移動通信 / 帯域内全二重通信 / 端末間干渉 / 逐次干渉キャンセラ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、第5世代移動通信システム(5G)に基づくセルラシステムの通信容量増大に向けた、帯域内全二重通信(IBFD)の実現を目的とする。具体的には、IBFDの導入に際し新たに生じる自己干渉(SI)と端末間干渉(IUI)を低減・抑圧するディジタル信号処理技術及びMAC層プロトコルの設計を行う。計算機シミュレーションによる机上検討のみならず、実機実装及び実システムへの導入を志向した実機実験を通じて、IBFDの実用化に必要な技術の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、上り通信と下り通信を同時・同一周波数で実施する帯域内全二重通信(In-Band Full-Duplex: IBFD)のセルラシステムへの適用(Full-Duplex Cellular: FDC)に関する課題のうち、上り通信端末が下り通信端末の受信品質を劣化させる端末間干渉(Inter-User Interference: IUI)の低減手法に関する研究を行った。従来FDCの多くはIUIを端末ペアの適切なスケジューリングにより回避してきた。しかしIUIの影響が深刻となる小規模セル環境下においては回避が難しく、IBFDの実現が困難になる問題がある。従って、IUIキャンセル手法の確立が重要である。 そこで、5Gに採用された信号構成や通信路符号化手法を考慮し、かつIBFD実現時に導入必須である自己干渉キャンセラとの共存が可能な、逐次干渉キャンセラに基づく5GベースIUIキャンセラを提案した。また、端末の信号受信状況のみからIUIキャンセル処理の必要性の有無を判断する受信機構成についても併せて提案した。これらの手法について計算機シミュレーションによりリンクレベルの評価を行い、その有効性を示した。この成果は国内学会において発表した。 続いて、提案IUIキャンセラを5Gシステムへ導入する際に必要となる、IUIキャンセラを考慮した端末スケジューリング手法及び適応変調手法について提案を行った。本手法は従来FDCシステムの端末スケジューリングの柔軟性を向上し、全ての通信スロットに対するIBFDが適用可能なスロットの割合(IBFD適用率)を増大する。工場環境におけるローカル5GシステムへのIBFD導入を志向したシステムレベルシミュレーションにより、本手法の有効性を示した。なお、これらのシステムレベルの成果と上述のリンクレベルの成果に基づく論文を執筆し、現在国際ジャーナルに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では初年度に自己干渉(Self-Interference: SI)キャンセラについての研究を行う予定であった。しかし、IUIの影響評価はシステムモデルの具体化に重要であるため、今年度はIUIに関する研究を優先した。この過程で、2年目に計画していた5Gシステムに直接導入可能な5GベースIUIキャンセラに関連する物理層・Media Access Control(MAC)層でのディジタル信号処理手法・アルゴリズムについて提案し、これらの内容については順調に成果を得ることができた。また、一部学会での成果発表を行うとともに、論文誌の執筆・投稿も完了している。一方で、今年度の成果は計算機シミュレーションによる検討のみにとどまり、本研究の目的である実機実験を通じた実用化に向けた技術確立には至っていない。以上のことから、進展はあるもののやや遅れが生じていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、5G-FDC物理層無線通信プロトタイプを用いた実験評価により5GベースIUIキャンセラの有効性の範囲について明らかにし、必要に応じて追加で信号処理手法の提案を行う。また、アンプの非線形歪等に対応した新たな5GベースSIキャンセル手法を提案し、計算機シミュレーション及び実機実験により、干渉低減性能や所望信号の通信品質の観点から評価する。これらの結果を取りまとめ、学会発表及び論文誌への投稿を行う。
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