Project/Area Number |
23KJ1369
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 弘貴 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 反応性アストロサイト / 脳虚血 / MCAO / RNA-seq |
Outline of Research at the Start |
本研究では、虚血性脳卒中をはじめとした疾患で誘導される抗炎症性アストロサイトの誘導メカニズムを解明し、新たな治療標的の創出を目指す。アストロサイトは病態時には反応性アストロサイトとなり炎症性あるいは抗炎症性の機能を有することが知られているが、虚血性脳卒中においてみとめられる抗炎症性アストロサイトの誘導メカニズムは不明である。そこで、遺伝子発現データを中心としたバイオインフォマティクス、初代培養グリア細胞を用いたin vitro解析、病態モデルを用いたin vivo解析を組み合わせることで、抗炎症性アストロサイトの誘導機構を分子レベルで解明し、治療標的としての有用性を実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳虚血時に誘導される反応性アストロサイトは病態抑制に寄与するような抗炎症性を示すことが知られている。本研究では、この抗炎症性アストロサイトの誘導機構および病態抑制機構を分子レベルで明らかにすることを目指す。 今年度はまず当初の計画に従い既存のRNA-seqデータセットなどを用いて抗炎症性アストロサイトの上流分子の同定を試みた。しかしながら、1時間虚血という強い傷害を与えているこれらのデータセットでは炎症促進性のアストロサイトも多く含まれてしまい、抗炎症性に関わるシグナルを特定することが困難であった。一方で15分虚血という組織的傷害が生じない軽度の虚血によりアストロサイトは保護的な機能を獲得することが報告されていることから、自らこの15分脳虚血モデル (MCAOモデル) の作製を行った。さらにマウス脳からのFACSによる細胞分取手法を習得し、アストロサイトを単離してRNA-seqを行った。解析の結果、保護的機能が知られている分子の発現増加が確認され、また上流リガンドを推定する解析からこれらの発現プロファイルの上流分子を推定することができた。これらの上流分子については脳虚血時に発現が増大することをリアルタイムPCRによっても確認できた。さらにRNA-seqデータからは虚血時のアストロサイトにおいて主に発現する受容体サブタイプも特定することができ、リガンドから受容体、そして下流の保護分子へと一連のシグナルがアストロサイトによる保護機能に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳虚血下でのアストロサイトを解析するためのMCAOモデル作製、FACSによる細胞分取、RNA-seqなどの必要な手技を一通り習得した。さらにRNA-seqの結果から上流分子の候補を見出し、実験的な実証も進めることができた。また今後これらの寄与を介入実験によって明らかにするためのプラスミド作製やウイルス作製についても完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度RNA-seq解析から見出した分子の病態への寄与について明らかにするため、次年度はウイルスベクターを用いたアストロサイト特異的ノックダウンによってこれらの分子の脳虚血病態への関与を評価する。また想定している分子シグナルがアストロサイトで機能していることを調べるため、初代培養アストロサイトを用いたin vitroでの検討も並行して進める。
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