Project/Area Number |
23KJ1412
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋爪 芽衣 大阪大学, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 翻訳制御 / RNA結合タンパク質 / アレナウイルス / mRNA |
Outline of Research at the Start |
真核生物ではmRNAの3′末端に付加されるポリA鎖がmRNAの安定性や翻訳効率の制御に重要である。一方で、ヒストンmRNAやある種のウイルスmRNAのようなポリA鎖を持たないmRNAの翻訳機構やその制御機構については不明な点が多い。アレナウイルスのmRNA(vmRNA)は5′末端にcap構造を持つが、3′末端はポリA付加を受けない特徴がある。vmRNAの翻訳効率は3′-UTRによって決定されており、これは従来の翻訳制御関連因子によるものとは異なる事が予測される。本研究では、宿主側因子及びウイルス側因子の双方の役割を解析することで、vmRNAのポリA非依存的mRNA翻訳制御機構の解明に挑む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アレナウイルス翻訳制御に寄与する宿主因子の機能解析 アレナウイルス科リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)の翻訳効率が高いヌクレオプロテイン(NP)、または低い糖タンパク質前駆体(GPC) mRNAに由来する3′-UTRを有するウイルスmRNA様RNA (それぞれNP vlmRNA、GPC vlmRNA)をin vitroで合成した。ビオチン化vlmRNAをin vitroで合成し、細胞の溶解液と混合し、ストレピトアビジンビーズでプルダウンを行なった。質量分析の結果、NP vlmRNAにより多く結合していた宿主タンパク質をいくつか同定できた。これらの候補因子に対するsiRNAを用いて候補因子の発現をノックダウン(KD)した細胞にLCMVを感染させたところ、LCMVの感染が抑制される候補因子も存在した。このことから、当該候補因子はウイルスmRNAの翻訳制御に関与している可能性が示唆された。 アレナウイルスmRNA(vmRNA)の3′末端の決定 vmRNAの3′末端の配列を決定するためのシーケンス方法として、ロングリードシークエンスが可能なナノポアシーケンスを試みた。まずナノポアシーケンスの精度を調べるために、ポリA鎖を付加したvlmRNAをin vitroで合成し、ナノポアシーケンスでその3′末端の配列決定を試みたが、ポリA鎖が読めているリードが非常に少なかった。そこで、PCRでウイルス特異的な配列を濃縮することを試みた。感染細胞からtotal RNAを抽出し、3′末端にアダプターオリゴ(AO)付加し、これをNP特異的なフォワードプライマーと、AOに対するリバースプライマーを用いてPCR を行うことで3′末端を含む領域を増幅した。このPCR産物の次世代シーケンス解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、それぞれのvlmRNAを細胞に導入し、ビオチン化アンチセンスオリゴでRNA-タンパク複合体のプルダウンする予定であったが、プルダウンしたサンプル中にはほとんどタンパク質が検出されなかった。この原因として、導入されたvlmRNAが細胞質へと効率よく放出されていない可能性が考えられた。そこで、代替案としてin vitroの系を用いてvlmRNA結合タンパク質候補を同定することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、LCMV感染を抑制した候補因子の更なる解析を進める。更なる候補因子の探索のために、実際の感染細胞からのプルダウン実験を行うことも考えており、近位依存性標識法を用いた実験手法の確立、ウイルスmRNAのNP-ORFおよびGPC-ORFに対するアンチセンスオリゴの選定も進めている。 また、PCR産物の次世代シーケンス解析によるvmRNAの3′末端の配列については、NPだけでなく、GPC、L、Z mRNAに関しても解析を行う。
|