Project/Area Number |
23KJ1484
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 浩也 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 固体触媒 / 水素化反応 / 還元的アミノ化反応 / ルテニウム / リン化物 / 有機硫黄化合物 / グリーンケミストリー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、持続可能な医薬品合成プロセスの構築を目指し、硫黄原子を含む化合物の変換反応を高効率で促進させる金属-リン合金ナノ粒子触媒の開発を目指す。申請者が持つ合金ナノ粒子合成技術を基に種々の金属-リン合金ナノ粒子を合成し、典型的なナノ粒子と触媒機能を比較することによって合金化効果を実証する。さらに組成や形状の異なる合金ナノ粒子を合成することにより、構造と機能との相関関係を解明し、高機能触媒の開発を達成する。開発した触媒を用いて実際の医薬品原薬や中間体の合成を行い、医薬品合成プロセスにおける金属-リン合金ナノ粒子触媒の有用性を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、持続可能な医薬品合成プロセスの構築を目指し、硫黄原子を含む有機化合物の変換反応を高効率で促進させる金属リン化物ナノ粒子触媒の開発を行っている。以下、一年目の主要な研究実績について概説する。 1.硫黄含有芳香族ニトロ化合物の水素化反応を促進するリン化ルテニウム触媒の開発 本研究では、種々の貴金属リン化物ナノ粒子を調製し、硫黄含有芳香族ニトロ化合物の水素化反応にて触媒活性を評価した。その結果、シリカ上に担持したリン化ルテニウムナノ粒子(Ru2P/SiO2)が常圧水素下という温和な条件で高い活性、選択性を示した。ニトロ基の水素化反応において、Ru2P/SiO2は典型的なRu触媒(Ru/SiO2)よりも34倍高い活性を示した。本触媒を用いることにより、医薬中間体を含む様々な硫黄含有アニリン類を高収率で得ることができた。触媒のキャラクタリゼーション、反応経路の解析、対照実験、DFT計算により、Ru原子からP原子への電子移動(リガンド効果)およびRu-P結合の形成による触媒表面での原子配列の変化(アンサンブル効果)が、Ru2P/SiO2の高い活性、耐硫黄性の発現に寄与していることを示した。 2.カルボニル化合物の還元的アミノ化反応を促進するリン化ルテニウム触媒の開発 本研究では、活性炭素上に担持したリン化ルテニウムナノ粒子(Ru2P/C)が、H2を還元剤、NH3を窒素源とするカルボニル化合物の還元的アミノ化に高い活性、選択性を示すことを見出した。本触媒は常圧のH2/NH3混合ガス下でも反応を促進することが可能であった。また、本触媒は硫黄含有カルボニル化合物を基質とした反応においても、効率的に反応を促進した。触媒のキャラクタリゼーション、速度論解析、対照実験から、Ru2P/Cの酸性質と高い水素活性化能が本触媒の高い活性に寄与していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、一年目は金属リン化物ナノ粒子の調製と触媒機能の評価、および触媒の構造-活性相関の解明に重点を置いて研究に取り組んだ。 一年目の研究では、リン化ルテニウムナノ粒子触媒が医薬品化学の分野で重要な反応である硫黄含有芳香族ニトロ化合物の水素化反応とカルボニル化合物の還元的アミノ化を効率的に促進すること見出した。リン化ルテニウムナノ粒子触媒は従来の触媒を凌駕する高い活性、選択性、耐硫黄性を示した。また、本触媒を用いることによって、実際にいくつかの医薬中間体を合成することに成功した。さらに、触媒のキャラクタリゼーション、反応経路の解析、速度論解析、対照実験、DFT計算を用いた多角的な検討から、リン化ルテニウムナノ粒子触媒の高い活性はリガンド効果(Ru原子とP原子間の電子移動)、高い水素活性化能、表面リン酸種由来の酸性質によるものであることを示した。また、リン化ルテニウムナノ粒子触媒の高い耐硫黄性はアンサンブル効果(Ru-P結合の形成による触媒表面での原子配列の変化)に起因することを明らかにした。 上記の研究成果から、一年目の研究計画である触媒機能の評価と触媒の構造-活性相関の解明は十分に達成できたと判断した。また、医薬中間体の合成は二年目に実施を計画していたが、一年目で達成することができた。よって本研究課題は当初の計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目の研究で得られたリン化ルテニウムナノ粒子の触媒作用に関する知見をもとに、ルテニウム以外の金属リン化物ナノ粒子の触媒機能開発を進める予定である。有機硫黄化合物の変換反応を高効率で促進する新規金属リン化物ナノ粒子触媒の開発を目指す。開発過程で様々な金属リン化物ナノ粒子の触媒作用を系統的に調べる。これによって金属リン化物の金属種と触媒作用との間にある相関関係の解明を目指す。 また、一年目で開発したリン化ルテニウムナノ粒子触媒について、基質適用性のさらなる検討を行い、適用可能な医薬品原薬合成プロセスの範囲を拡張する予定である。目的の反応を効率的に促進させるために、詳細な反応パラメータの検討を行う。
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