Project/Area Number |
23KJ1499
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 空知 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ワイヤレスセンシング / 深層学習 / バイタルセンシング |
Outline of Research at the Start |
ワイヤレスセンシングは電波の伝搬状態を解析することで対象物の運動を推定する技術の総称であり、特にWi-Fiを用いたセンシング技術に関心が寄せられている。しかしながら微細な生体運動の情報を環境非依存かつ正確に推定する手法は世界的にも研究途上の段階である。本研究では呼吸・心拍・ 血圧の情報を環境非依存に測定できるWi-Fiセンシング技術の開発を目的とする。本研究では深層学習を用いることで生体情報を環境非依存に推定する手法の研究開発を行うとともに、より実用に即した機能を実装する際の問題をより詳細に明らかにする。また過去に類をみない応用にも取り組み、新機軸のセンシングシステム開発を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はWi-Fiを含めた複数の無線通信規格を用いたセンシングに関する研究を中心に研究課題を遂行した。 当該年度の第一四半期は1) 電波伝搬情報圧縮のための深層学習手法の検討、2) 生体情報センシングのうち呼吸を対象としたアプリケーション検討のための実験実施ならびに環境非依存な推定手法の検討 を中心に研究を遂行した。 当該年度7月以降は米国・Mitsubishi Electric Research LaboratoryのPerry Wang氏と協調してワイヤレスセンシングの信号処理手法に関する研究を進めた。具体的には、sub-7GHz帯のチャネル状態情報と60GHz帯のWi-Fiバンドから得られるチャネル測定値をニューラル常微分方程式を用いることで効果的に融合するための深層学習手法を検討した。アプリケーションとしてデバイスの軌跡推定を取り上げ、実際の環境で提案手法の実装および検証を行った。本研究内容は信号処理系の国際会議として最大規模のInternational Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing 2024に採択された。 加えて、Wi-Fiの電波伝搬情報の圧縮に関して当該研究者らと議論を行い、到来角や飛来距離など対象物のセンシングにより直接的に関与するパラメータへの変換および圧縮、また既存のIEEE 802.11規格への組み込みを見込んだアプリケーションの設定を踏まえた技術提案を行うことを計画している。なお秘密保持契約の関係上詳細は公表できないが、当該研究者との協調により実施済みの研究内容および投稿済みの論文が複数存在する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Wi-Fiを用いたセンシングについて、申請者がこれまでに実施してきた研究内容と比較してより高度な信号処理技術の検討を行うことをできた点が今年度最大の進展である。特に深層学習を用いた手法において、1) 数値的手段による信号処理のアルゴリズムに深層学習を組み込む方法、2) 複数の異なるモダリティを効果的に融合する方法 について検討することができた点は、当初の研究計画を超える成果である。 またこれらの進展は2024年度以降実施する生体情報センシングに対して深い洞察を与えるものであった。 一方で、呼吸を対象とした生体情報センシングについてはデータセット構築のための実験、および環境非依存性を獲得するためのアーキテクチャに関する検討が完了しているものの論文の採択件数に寄与しなかったため、次年度以降の研究計画に一部を繰り越して継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究計画に含まれている心拍のセンシングについて、2023年度中に検討した信号処理技術を活用した手法を提案することを目指す。より具体的には1) Wi-Fiに加えてUWBなど異なる周波数帯の規格を複数組み合わせること、2) 環境非依存な特徴量を抽出するためのより効果的な自己教師あり学習手法を導入すること、3) Transformerアーキテクチャを活用した完全にend-to-endなアーキテクチャを提案すること を目指す。 また、2023年度中に検討した呼吸を対象としたセンシング手法についても、査読者からの指摘等を鑑みて内容を再検討したのち、再度論文誌等への投稿を行う予定である。 ここまで申請者が検討してきた手法は、いずれもWi-Fi等無線通信機器から得られる電波伝搬情報を直接深層学習の入力に用いるものであった。今後の研究遂行においては、1) 電波伝搬情報から深層学習モデルが解釈容易なモダリティへの変換、2) 電波伝搬情報を深層学習モデルにて潜在空間上に射影した際の空間上での情報の分布の解析およびその分布の近似を異なる環境の電波空間に適用する手法 についても併せて検討を進めていく。
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